2020年度概算要求の焦点⑤ 経済産業・中小企業 デジタル経済化後押し
経済産業省は2019年度当初予算(臨時・特別の措置を除く)比15・1%増の1兆4292億円を求めました。
急速に進むデジタル経済化を後押しするために人工知能(AI)やロボット、さまざまな情報を計測・数値化する技術の開発を推進します。「IoT(モノのインターネット)」社会実現のための技術開発支援は19年度当初予算の8倍、20億円を要求しました。ロボット技術向上で企業の生産性を高める一環として「革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」に6億円を新規計上します。
新たな成長モデルを創出する基盤整備として超小型電気自動車(EV)の導入を支援します。自動走行やIoT、AIを活用した新しい移動サービスの研究開発・社会実装などに871億円を盛り込みます。
原発推進予算(経産省分)の概要(総額1370億円、19年度当初予算1317億円)
原発予算は増額
エネルギー対策特別会計(経済産業省分)は19年度比15・7%増加の8362億円です。
原発推進のための予算としては、1370億円で19年度より53億円増えています。19年度から始まった「革新的原子力技術開発支援事業」は小型炉など新しい原子炉の開発を目的としたものです。三菱重工、東芝、日立製作所の大手の原発メーカーなどが受注していることが明らかになっています。20年度概算要求に、2・3倍となる15億円を盛り込みました。また、「原子力産業基盤強化事業」として新規に15億円を計上。同事業は原子力関連機器・サービスの向上のために、人材の技能向上と専門性の強化に取り組みます。フランスが開発を断念したと報じられる高速炉には20年度も「高速炉に係る共通基盤のための技術開発委託費」として41・1億円を要求しています。原発ゼロを求める世論に反するものです。
「再稼働反対」「原発ゼロ政権の誕生を」と国会正門前に集まった人たち=3月10日
販路支援2倍に
中小企業対策費は、経産省、財務省、厚生労働省を合わせ2269億円です。
「事業継承・世代交代集中支援事業」として新たに50億円を計上しました。同事業は、事業継承後に行う設備投資や、後継者候補を試行的に雇用する場合にかかる費用を支援します。相次ぐ自然災害に伴い、防災・減災対策の強化を図る「事業継続力強化計画」を策定する中小企業の支援にも力を入れます。
小規模事業者の販路開拓などを支援する「持続化補助金」は19年度当初予算の約2倍、20億円を要求しました。各自治体を窓口とした制度のため、制度がないと利用できません。現在交付しているのは29道府県と地域によって偏りがあります。
中小企業への賃上げ支援策「業務改善等助成金」は18・6億円を要求。19年度当初予算の6・9億円から2・7倍となり、制度も拡充しています。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年9月21日付掲載
「事業継承・世代交代集中支援事業」や防災・減災対策の強化を図る「事業継続力強化計画」などの中小企業を支援する施策も充実しているが…。
その一方で、原発推進のための予算も増額。予算額レベルでみると桁が1桁から2桁違います。
経済産業省は2019年度当初予算(臨時・特別の措置を除く)比15・1%増の1兆4292億円を求めました。
急速に進むデジタル経済化を後押しするために人工知能(AI)やロボット、さまざまな情報を計測・数値化する技術の開発を推進します。「IoT(モノのインターネット)」社会実現のための技術開発支援は19年度当初予算の8倍、20億円を要求しました。ロボット技術向上で企業の生産性を高める一環として「革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」に6億円を新規計上します。
新たな成長モデルを創出する基盤整備として超小型電気自動車(EV)の導入を支援します。自動走行やIoT、AIを活用した新しい移動サービスの研究開発・社会実装などに871億円を盛り込みます。
原発推進予算(経産省分)の概要(総額1370億円、19年度当初予算1317億円)
主な事業 | 20年度概算要求 | 19年度当初予算 |
原子力の安全性向上に資する技術開発事業 | 28億円 | 30.2億円 |
原子力産業基盤強化事業 | 15億円(新規) | ― |
革新的な原子力技術開発支援事業 | 15億円 | 6.5億円 |
電源立地地域対策交付金 | 806.8億円 | 809.0億円 |
原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業 | 83.2億円 | 63.5億円 |
エネルギー構造高度化・転換理解促進事業 | 75.0億円 | 56.2億円 |
原発予算は増額
エネルギー対策特別会計(経済産業省分)は19年度比15・7%増加の8362億円です。
原発推進のための予算としては、1370億円で19年度より53億円増えています。19年度から始まった「革新的原子力技術開発支援事業」は小型炉など新しい原子炉の開発を目的としたものです。三菱重工、東芝、日立製作所の大手の原発メーカーなどが受注していることが明らかになっています。20年度概算要求に、2・3倍となる15億円を盛り込みました。また、「原子力産業基盤強化事業」として新規に15億円を計上。同事業は原子力関連機器・サービスの向上のために、人材の技能向上と専門性の強化に取り組みます。フランスが開発を断念したと報じられる高速炉には20年度も「高速炉に係る共通基盤のための技術開発委託費」として41・1億円を要求しています。原発ゼロを求める世論に反するものです。
「再稼働反対」「原発ゼロ政権の誕生を」と国会正門前に集まった人たち=3月10日
販路支援2倍に
中小企業対策費は、経産省、財務省、厚生労働省を合わせ2269億円です。
「事業継承・世代交代集中支援事業」として新たに50億円を計上しました。同事業は、事業継承後に行う設備投資や、後継者候補を試行的に雇用する場合にかかる費用を支援します。相次ぐ自然災害に伴い、防災・減災対策の強化を図る「事業継続力強化計画」を策定する中小企業の支援にも力を入れます。
小規模事業者の販路開拓などを支援する「持続化補助金」は19年度当初予算の約2倍、20億円を要求しました。各自治体を窓口とした制度のため、制度がないと利用できません。現在交付しているのは29道府県と地域によって偏りがあります。
中小企業への賃上げ支援策「業務改善等助成金」は18・6億円を要求。19年度当初予算の6・9億円から2・7倍となり、制度も拡充しています。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年9月21日付掲載
「事業継承・世代交代集中支援事業」や防災・減災対策の強化を図る「事業継続力強化計画」などの中小企業を支援する施策も充実しているが…。
その一方で、原発推進のための予算も増額。予算額レベルでみると桁が1桁から2桁違います。