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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2020年度概算要求の焦点⑧ 地方財政 広域連携など推進

2019-09-29 09:20:27 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2020年度概算要求の焦点⑧ 地方財政 広域連携など推進
2020年度予算の概算要求で総務省は、地方の一般財源総額(地方税や地方交付税など自治体が自主的判断で使える財源)について、「仮置き」の数字として、19年度予算比1・3兆円増の64兆円程度と見込みました。社会保障費の自然増や、19年度は半年分だった幼児教育・保育の無償化に伴う経費が平年度ベースとなることが主な要因です。
地方税等(地方譲与税、地方特例交付金を含む)は1・15%増の43・8兆円。地方交付税等(同交付税不足分を振り替える臨時財政対策債3・4兆円を含む)は4・1%増の20・2兆円としました。
一般財源総額をめぐっては、政府は18年6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針」で“21年度までは18年度水準を下回らない”としており、今回の要求も同方針を踏まえたものです。
自治体が地域活性化策を実施するための「まち・ひと・しごと創生事業費」(15年度創設)は引き続き1兆円が計上されました。全国知事会など地方団体は維持・拡充を求めています。




公共施設を集約
概算要求の中身は、以前から自治体に迫ってきた広域連携や公共施設、行政サービスの集約化、民間委託化を進めようという政府の姿勢を示すものです。
総務省は、中心都市が近隣自治体と連携し、その「圏域」全体の都市機能や行政サービスを集約化する「連携中枢都市圏」などを推進する予算として2・1億円を要求。国土交通省は、公共施設などを中心地に集約する「コンパクトシティ」推進予算を242億円(19年度予算比33%増)計上しています。いずれも中心地での大型開発や周辺地域の衰退が危倶されるものです。
公共施設の建設・管理運営を民間に委ねる「PPP/PFI」を推進する予算としては、国交省で558億円(同76%増)が盛り込まれました。



「圏域」行政について議論した第32次地方制度調査会第3回総会=7月31日、東京都内

町村会長が批判
「圏域」行政に関しては、総務省研究会が圏域単位での行政の標準化を提起(18年7月の報告)するなど、さらに押し進めようとする動きがあります。しかし同報告を受けて議論を続けている地方制度調査会(首相の諮問機関)では、全国町村会の荒木泰臣会長(熊本県嘉島町長)が「町村を衰退させ、消滅させかねない」と述べるなど反発の声があがっています。
また総務省の概算要求では、国民監視やプライバシー侵害の危険があるマイナンバー制度を推進するための予算を、19年度予算から7倍ちかくも増やして1801億円としました。現在マイナンバーカードは約1787万枚が交付済みですが(9月19日時点)、同カードの健康保険証としての利用に向けて、20年度末までに6000万~7000万枚を交付するという政府想定に合わせたものです。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年9月27日付掲載


都市部では、「コンパクトシティ」で公共施設などを中心地に集約。
農村部では、「圏域」行政で「町村を衰退させ、消滅させかねない」の危機。
周辺部でも農村部でも、人が住み続けることで、地域の安全や自然災害からの保全が図られる。
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