けいざい四季報 2020年Ⅱ④ 旅行需要 外国人消費額 ほぼ蒸発
①鉄道、バスなど運輸業の多くが乗客数半分以下。航空国内線でも約9割減
②海外旅行、国内旅行は行けず。ほとんどの人が予定とりやめ
③外国人の訪日ほぼゼロに。消費1兆円超が「消失」
新型コロナウイルス感染症抑制のための対策は、宿泊業や運輸業に顕著な打撃を与えています。
輸送人員激減
国土交通省の「交通政策白書」によると、4月に輸送人員が半分以下となった鉄道会社は、大手私鉄で全社、公営の約9割、中小私鉄の約7割にのぼります。
また、乗り合いバスでは、約6割の事業者の運送収入が半分以下となり、輸送人員も半減。貸し切りバスでは、「ほとんどバスが動いていない」状態で、運送収入が7割以上減少した事業者が約9割にのぼります。
航空での輸送人員は、国際線で97%減、国内線で86%減となっています。
国際航空運送協会(IATA)は、2020年の世界の航空業界の損失見通しを843億ドル(約9兆円)としています。
欠航が続発し駐機場いっぱいに並ぶ国内の航空会社の飛行機(奥)=4月8日、羽田空港
実施1%未満
日本交通公社の「JTBF旅行実態調査」(5月上旬実施)によると、4月から6月の期間の旅行の予定についての質問(複数回答)に、「いまのところ実施予定」と回答したのは、国内旅行、海外旅行ともに1%未満でした。
「もともと旅行に行く予定はない」人が55・6%を占め、「既に中止・延期を決定」した人も、国内宿泊旅行で14・9%、海外旅行で3・3%でした。
3月には、新型コロナウイルスの影響で旅行をとりやめた人が、国内旅行で75・9%、海外旅行で74・2%にのぼりました。
国土交通省観光庁によると、5月の宿泊施設への延べ宿泊者数は、外国人が14万人で前年同月から98・6%減、日本人は767万人で81・6%減と激しい落ち込み。5月の客室稼働率は12・8%にすぎません。
訪日客99%減
日本政府観光局によると2020年5月に日本を訪れた外国人客数は1700人で前年同月比99・9%減。4月の2900人をさらに下回り、統計をとりはじめた1964年以降、過去最少となっています。
新型コロナウイルス感染症で、多くの国が海外渡航などの制限をしているためです。
昨年5月には、277万人、4月には293万人の外国人が日本を訪れていました。
観光庁によると、2020年1~3月期の訪日外国人の旅行消費額は6727億円(1人当たり17万5000円)で前年同期の1兆1517億円から半減しました。
4~6月期は、前年同期の訪日外国人の旅行消費額1兆2673億円が、ほぼ「蒸発」することが予想されます。観光業などに与える打撃の大きさをあらためて示しています。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年7月3日付掲載
父の急死で5月の連休に兵庫県から山口県に帰省した際は、新幹線はガラガラでした。6月中旬の満中陰で帰省した際には、一定の乗客が戻ってきていましたが、5列シートは独占状態でした。
5月の連休はもともと旅行を綿密に計画していましたが、コロナ自粛で中止。
業界への影響は計り知れないと思います。
それにしても、あまりにも外需依存、インバウンドだのみではいかがなものかと。
①鉄道、バスなど運輸業の多くが乗客数半分以下。航空国内線でも約9割減
②海外旅行、国内旅行は行けず。ほとんどの人が予定とりやめ
③外国人の訪日ほぼゼロに。消費1兆円超が「消失」
新型コロナウイルス感染症抑制のための対策は、宿泊業や運輸業に顕著な打撃を与えています。
輸送人員激減
国土交通省の「交通政策白書」によると、4月に輸送人員が半分以下となった鉄道会社は、大手私鉄で全社、公営の約9割、中小私鉄の約7割にのぼります。
また、乗り合いバスでは、約6割の事業者の運送収入が半分以下となり、輸送人員も半減。貸し切りバスでは、「ほとんどバスが動いていない」状態で、運送収入が7割以上減少した事業者が約9割にのぼります。
航空での輸送人員は、国際線で97%減、国内線で86%減となっています。
国際航空運送協会(IATA)は、2020年の世界の航空業界の損失見通しを843億ドル(約9兆円)としています。
欠航が続発し駐機場いっぱいに並ぶ国内の航空会社の飛行機(奥)=4月8日、羽田空港
実施1%未満
日本交通公社の「JTBF旅行実態調査」(5月上旬実施)によると、4月から6月の期間の旅行の予定についての質問(複数回答)に、「いまのところ実施予定」と回答したのは、国内旅行、海外旅行ともに1%未満でした。
「もともと旅行に行く予定はない」人が55・6%を占め、「既に中止・延期を決定」した人も、国内宿泊旅行で14・9%、海外旅行で3・3%でした。
3月には、新型コロナウイルスの影響で旅行をとりやめた人が、国内旅行で75・9%、海外旅行で74・2%にのぼりました。
国土交通省観光庁によると、5月の宿泊施設への延べ宿泊者数は、外国人が14万人で前年同月から98・6%減、日本人は767万人で81・6%減と激しい落ち込み。5月の客室稼働率は12・8%にすぎません。
訪日客99%減
日本政府観光局によると2020年5月に日本を訪れた外国人客数は1700人で前年同月比99・9%減。4月の2900人をさらに下回り、統計をとりはじめた1964年以降、過去最少となっています。
新型コロナウイルス感染症で、多くの国が海外渡航などの制限をしているためです。
昨年5月には、277万人、4月には293万人の外国人が日本を訪れていました。
観光庁によると、2020年1~3月期の訪日外国人の旅行消費額は6727億円(1人当たり17万5000円)で前年同期の1兆1517億円から半減しました。
4~6月期は、前年同期の訪日外国人の旅行消費額1兆2673億円が、ほぼ「蒸発」することが予想されます。観光業などに与える打撃の大きさをあらためて示しています。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年7月3日付掲載
父の急死で5月の連休に兵庫県から山口県に帰省した際は、新幹線はガラガラでした。6月中旬の満中陰で帰省した際には、一定の乗客が戻ってきていましたが、5列シートは独占状態でした。
5月の連休はもともと旅行を綿密に計画していましたが、コロナ自粛で中止。
業界への影響は計り知れないと思います。
それにしても、あまりにも外需依存、インバウンドだのみではいかがなものかと。