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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2025年予算 概算要求の焦点① 税財政 過去最大 軍拡が押し上げ

2024-09-27 07:11:38 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2025年予算 概算要求の焦点① 税財政 過去最大 軍拡が押し上げ

2025年度予算編成に向けた各省庁からの概算要求と「税制改正」要望が8月末に出そろいました。特徴をみます。

25年度の概算要求の一般会計総額は117兆6059億円で過去最大となりました。デフレ完全脱却と成長型経済を実現するとの触れ込みで「重要政策推進枠」(特別枠)を設けたほか、要求段階で金額を示さない「事項要求」も認めました。物価高対策や「賃上げ促進」など岸田文雄政権が目玉とする分野で要求が相次ぎぎました。年末に閣議決定する当初予算案も過去最大となる可能性があります。
物価高騰などで家計が疲弊しているもとでの予算編成です。しかし、社会保障など国民生活を支える予算が抑制される一方、軍事費は昨年に続き大幅増額です。岸田政権が7月29日に閣議了解した概算要求基準の段階から特別の仕組みが持ち込まれているからです。




例外扱いを明記
概算要求基準は次年度予算編成に向けて各省庁が財務省に予算要求する際のルールです。予算を①地方交付税交付金②年金・医療など社会保障③裁量的経費④軍事費(防衛力整備計画対象経費)⑤人件費など義務的経費―に分類。24年度予算に対して25年度予算で要求できる額は、地方交付税交付金(①)と義務的経費(⑤)は同水準、社会保障(②)は自然増分を加算、裁量的経費(③)は1割削減、軍事費(④)は防衛力整備計画を踏まえた「所要の額」―と定めました。その上で各省庁は削減した裁量的経費の3倍の額を「特別枠」で要求できる仕組みです。
その結果、軍事費は突出して増加。6月に閣議決定した「骨太の方針」で「防衛力強化」のための歳出については「多年度にわたり計画的に拡充する」と例外扱いする方針を明記し、5年間で43兆円の軍拡に固執する姿勢を示したことを受け、8兆5389億円を要求しました。米軍再編関連経費は事項要求とされ、総額はさらに膨らみます。
厚生労働省は過去最大の34兆2763億円を要求。年金・医療など高齢化に伴う自然増は4100億円を見込みます。例年、予算編成過程で自然増分は圧縮されており、25年度も同様のおそれがあります。また、「三位一体の労働市場改革」と銘打ち、▽リスキリング(学び直し)の推進▽ジョブ型人事(職務給)の導入▽労働移動の円滑化―のために1695億円を盛り込みました。

国債費1・9兆円増
財務省は国債の利払いや償還に充てる国債費として1兆9026億円増の28兆9116億円を要求。日銀の追加利上げを受けて利払い費の積算に使う想定金利を24年度概算要求時の1・5%から2・1%に引き上げたためです。デジタル庁はマイナンバー制度の推進等に4億円を盛り込むなど総額5960億4300万円を要求しました。
法務省はサイバー攻撃や経済安保の脅威に対応することを名目に公安調査庁の情報収集・分析能力の強化として、24年度比7億8300万円増の39億1900万円を要求。同時に、128人の公安調査官の増員を求めました。
各省庁から「税制改正要望」も提出され、内閣府は、「企業版ふるさと納税制度」について、今年度までとしていた企業の法人税を大幅に軽減する特例措置を、29年度まで延長するよう求めました。また、国民の批判を恐れ先送りされて きた軍拡増税の開始年度を明記するかも焦点です。
(つづく)(9回連載です)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年9月25日付掲載


軍事費は突出して増加。6月に閣議決定した「骨太の方針」で「防衛力強化」のための歳出については「多年度にわたり計画的に拡充する」と例外扱いする方針を明記し、5年間で43兆円の軍拡に固執する姿勢を示したことを受け、8兆5389億円を要求。
厚生労働省は過去最大の34兆2763億円を要求。年金・医療など高齢化に伴う自然増は4100億円を見込みます。例年、予算編成過程で自然増分は圧縮されており、25年度も同様のおそれが。
財務省は国債の利払いや償還に充てる国債費として1兆9026億円増の28兆9116億円を要求。日銀の追加利上げを受けて利払い費の積算に使う想定金利を24年度概算要求時の1・5%から2・1%に引き上げたため。
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