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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

新医協の全国研究集会から② 経済活動と愛を考える 「食が真ん中」実践交流

2022-12-04 07:08:35 | 政治・社会問題について
新医協の全国研究集会から② 経済活動と愛を考える 「食が真ん中」実践交流
オンラインと東京都内の会場で開かれた新医協(新日本医師協会)の全国研究集会では11月13日、同志社大学大学院教授の浜矩子さんが記念講演しました。同日午後は、食と保育をめぐる特別企画と、格差と分断の打破を語り合う分科会が開かれました。(徳永慎二)

経済活動と愛を考える
浜矩子同志社大学大学院教授が講演
「幸せに生きる」権利保障が原則

浜さんはオンラインで「経済活動と愛をどう再会させるか―真の強弱共生を求めて」と題して講演しました。
経済活動について「人間の営みであり、人間だけが経済活動に携わる」と強調。アダム・スミスの『国富論』や『道徳感情論』にも触れ、「経済活動は、他人の涙を見て涙し、他者の喜びを喜びとする共感性をもつ人々の営みである」とのべました。そして「経済活動は人間を幸せにし、不幸にしてはならない。人権を侵害してはならない」と「“浜流”経済活動の原則」を強調しました。



浜さんの講演をオンラインで聞く新医協全国研究集会の参加者=11月13日、東京都内

ヒトをモノ化し、「市場との約束」を最優先させ、「経済は成長しなければ経済ではない」などの主張は、こうした原則に反し、だまされてはいけないと浜さん。
経済政策の使命は、「経済活動の均衡の保持と復元」であり、「弱者救済」だと力説し、「均衡が崩れると弱者が最も深い傷を負う」と指摘。進行中の物価高・インフレ、賃金が上がらないデフレ、富の偏在という三つの不均衡が「弱者を窮地に追いやる」とのべました。
「偏在ではなく、あまねくゆきわたる」経済を強調し、「所得再分配」の役割と意義を明らかにしました。
浜さんは「生きる権利が保障される状態を求めることにこそ、愛の賛歌としての経済活動がある」と結びました。参加した保育園園長は「すごく勉強になりました。保育も経済とつながっていると思いました」と感想をのべました。


「食が真ん中」実践交流
働く人を追い詰める家事・育児・妻の責務
食&育児…特別企画

尚綱学院大学名誉教授
岩倉政城さんが基調報告


特別企画「食がうるおす育児・保育・母子保健」では、新医協顧問で尚綱学院大学名誉教授の岩倉政城さんが、基調報告しました。岩倉さんは、家事と育児の夫婦の分担割合で「妻が10割~8割」が65・2%という内閣府調査(2021年度)などを示し、「家事や育児が一方的に妻に負わされている」と告発。「子育ては母親の責務」というキャンペーンが「働く人たちをいっそう追い詰めている」と指摘しました。



基調報告する岩倉さん

悩みの多い離乳食について、親の負担を軽減し、食を楽しくする「取り分け離乳食」や、赤ちゃんの自主性を大事にした「手づかみ食べ」を紹介しました。
「食育の推進」をうたいながら、それに逆行する「調理業務の外部委託」「給食の外部搬入」をすすめる国の施策を批判。加えて、東京電力福島第1原発事故による放射能汚染やコロナ禍が、保育を制限し「食を通して子どもの成長をめざす」ことに困難をもたらしていると指摘。「食を取り戻し、子どもにとって食が大事であることを確認し合い、食を真ん中においた実践を交流してほしい」と話しました。



食の特別企画で参加者と意見を交わす岩倉さん(左)とオンライン参加を含む報告者

基調報告を受けて栄養士や保育士など5人が報告。▽ありあわせ離乳食と子育て▽親子で早朝散歩の後の1品持ち寄り豚汁パーティー▽園舎の真ん中に台所、食堂にはいろりのある保育▽食の生産から消費までをつなぐ保育▽園舎と地続きの畑で子どもと地域がつながるーといった「食と保育」の多彩な実践を交流しました。
「格差と分断を打ち破る希望を語ろう」と題する分科会では、精神科医師の伊勢田勇さん、看護師の赤尾関恵子さん、鍼灸師の武井百代さんがリレートーク。「しゃべり場」では参加者が自由に語り合いました。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年12月2日付掲載


浜矩子さんは、「経済活動は、他人の涙を見て涙し、他者の喜びを喜びとする共感性をもつ人々の営みである」と。そして「経済活動は人間を幸せにし、不幸にしてはならない。人権を侵害してはならない」と「“浜流”経済活動の原則」を強調。
生きる権利が保障される状態を求めることにこそ、愛の賛歌としての経済活動がある。
岩倉政城さんは、家事と育児の夫婦の分担割合で「妻が10割~8割」が65・2%という内閣府調査(2021年度)などを示し、「家事や育児が一方的に妻に負わされている」と告発。
基調報告を受けて栄養士や保育士など5人が報告。▽ありあわせ離乳食と子育て▽園舎の真ん中に台所、食堂にはいろりのある保育▽園舎と地続きの畑で子どもと地域がつながるーといった「食と保育」の多彩な実践を交流。

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