政権追い詰めた市民と共産党 通常国会150日⑤ 改悪入管法 当事者の声届け追及
「ここからがスタート」「施行させない」―。自民、公明、維新、国民民主が9日、数の力で強行、成立させた改悪入管法。悪法が通されても、結束した市民は反対の声を上げることをやめません。
18日には東京都内でデモが行われ、支援者が再びたたかおうと呼びかけました。
クルド人難民らの子どもたちから実情を聞いた難民間題国対ヒアリング=5月15日、国会内
改悪の根拠崩す
日本共産党をはじめ法改悪に反対する野党は、市民の運動に連帯し、国会論戦を通じて法改悪の根拠阿立法事実を揺るがす問題を次々に追及してきました。とりわけ参院での審議入り後は、共産、立憲民主・社民、れいわ、沖縄の風の野党4会派が共同提出した難民等保護法案と入管法改正案の審議や、当事者、支援者などから聞き取りを行う「難民問題国対ヒアリング」、街頭集会の定期的な実施など、野党が力を合わせて当事者の声を国会に届け、改悪進勢力を追い詰めました。
共産党の仁比聡平参院議員は質疑で、入管庁が“送還ノルマ”を定め、さまざまな事情で帰国できない人をひとくくりに「送還忌避者」としてその縮減を進めてきたことを告発しました。入管庁の不認定処分をただす難民審査参与員の一部が、送還の“ベルトコンベヤー”に組み込まれていた問題など、ずさんな難民審査の実態も示し追及。柳瀬房子難民審査参与員の「(難民認定)申請者の中に難民がほとんどいない」との発言が立法事実とされてきたにもかかわらず、同氏の膨大な審査件数を斎藤健法相が「不可能」と認め、同氏の審査の適切さに重大な疑問が生じるなど、法改悪の根拠が根底から崩れました。
審議の終盤には、大阪入管の常勤医師が酒に酔った状態で被収容者を診察していた事実も発覚しました。改悪案が国会に提出された3月7日の記者会見で斎藤法相が、入管庁が医療体制の強化など「組織・業務改革に取り組んできた」と強調していたこととの矛盾が浮き彫りに。2年前、名古屋入管で適切な医療が受けられず飢餓状態で亡くなったウィシュマ・サンダマリさんの遺族は、再び同じような犠牲者を出すのかと強く抗議しました。
4会派案に展望
改悪入管法の最大の問題点は、難民認定申請中の外国人の本国への送還を可能にすることです。迫害を受ける恐れがある国への追放・送還を禁じた難民条約のノン・ルフールマン原則に反し、国際人権機関から大きな批判を浴びています。これに対し、野党4会派が共同提出した難民等保護法案と入管法改正案は、在留資格を失った外国人を原則全て収容する全件収容主義を撤廃し、収容期間に上限を定め、収容の判断は司法審査とし、独立した難民等保護委員会を創設することを掲げました。
参院審議では、仁比氏が野党4会派の発議者それぞれに質問する場面も。野党案が出入国管理と難民保護を行う主体を分離する点や、身体の自由、裁判を受ける権利など外国人の基本的人権の保障を制度的に担保している点が際立ちました。
「野党対案が私たちの望む未来の姿だと、あきらめずに言っていこう」―。改悪入管法が成立した日、国会前で支援者はこう語りました。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年6月28日付掲載
とりわけ参院での審議入り後は、共産、立憲民主・社民、れいわ、沖縄の風の野党4会派が共同提出した難民等保護法案と入管法改正案の審議や、当事者、支援者などから聞き取りを行う「難民問題国対ヒアリング」、街頭集会の定期的な実施など、野党が力を合わせて当事者の声を国会に届け、改悪進勢力を追い詰め。
改悪入管法の最大の問題点は、難民認定申請中の外国人の本国への送還を可能にすること。迫害を受ける恐れがある国への追放・送還を禁じた難民条約のノン・ルフールマン原則に反し、国際人権機関から大きな批判を。
「ここからがスタート」「施行させない」―。自民、公明、維新、国民民主が9日、数の力で強行、成立させた改悪入管法。悪法が通されても、結束した市民は反対の声を上げることをやめません。
18日には東京都内でデモが行われ、支援者が再びたたかおうと呼びかけました。
クルド人難民らの子どもたちから実情を聞いた難民間題国対ヒアリング=5月15日、国会内
改悪の根拠崩す
日本共産党をはじめ法改悪に反対する野党は、市民の運動に連帯し、国会論戦を通じて法改悪の根拠阿立法事実を揺るがす問題を次々に追及してきました。とりわけ参院での審議入り後は、共産、立憲民主・社民、れいわ、沖縄の風の野党4会派が共同提出した難民等保護法案と入管法改正案の審議や、当事者、支援者などから聞き取りを行う「難民問題国対ヒアリング」、街頭集会の定期的な実施など、野党が力を合わせて当事者の声を国会に届け、改悪進勢力を追い詰めました。
共産党の仁比聡平参院議員は質疑で、入管庁が“送還ノルマ”を定め、さまざまな事情で帰国できない人をひとくくりに「送還忌避者」としてその縮減を進めてきたことを告発しました。入管庁の不認定処分をただす難民審査参与員の一部が、送還の“ベルトコンベヤー”に組み込まれていた問題など、ずさんな難民審査の実態も示し追及。柳瀬房子難民審査参与員の「(難民認定)申請者の中に難民がほとんどいない」との発言が立法事実とされてきたにもかかわらず、同氏の膨大な審査件数を斎藤健法相が「不可能」と認め、同氏の審査の適切さに重大な疑問が生じるなど、法改悪の根拠が根底から崩れました。
審議の終盤には、大阪入管の常勤医師が酒に酔った状態で被収容者を診察していた事実も発覚しました。改悪案が国会に提出された3月7日の記者会見で斎藤法相が、入管庁が医療体制の強化など「組織・業務改革に取り組んできた」と強調していたこととの矛盾が浮き彫りに。2年前、名古屋入管で適切な医療が受けられず飢餓状態で亡くなったウィシュマ・サンダマリさんの遺族は、再び同じような犠牲者を出すのかと強く抗議しました。
4会派案に展望
改悪入管法の最大の問題点は、難民認定申請中の外国人の本国への送還を可能にすることです。迫害を受ける恐れがある国への追放・送還を禁じた難民条約のノン・ルフールマン原則に反し、国際人権機関から大きな批判を浴びています。これに対し、野党4会派が共同提出した難民等保護法案と入管法改正案は、在留資格を失った外国人を原則全て収容する全件収容主義を撤廃し、収容期間に上限を定め、収容の判断は司法審査とし、独立した難民等保護委員会を創設することを掲げました。
参院審議では、仁比氏が野党4会派の発議者それぞれに質問する場面も。野党案が出入国管理と難民保護を行う主体を分離する点や、身体の自由、裁判を受ける権利など外国人の基本的人権の保障を制度的に担保している点が際立ちました。
「野党対案が私たちの望む未来の姿だと、あきらめずに言っていこう」―。改悪入管法が成立した日、国会前で支援者はこう語りました。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年6月28日付掲載
とりわけ参院での審議入り後は、共産、立憲民主・社民、れいわ、沖縄の風の野党4会派が共同提出した難民等保護法案と入管法改正案の審議や、当事者、支援者などから聞き取りを行う「難民問題国対ヒアリング」、街頭集会の定期的な実施など、野党が力を合わせて当事者の声を国会に届け、改悪進勢力を追い詰め。
改悪入管法の最大の問題点は、難民認定申請中の外国人の本国への送還を可能にすること。迫害を受ける恐れがある国への追放・送還を禁じた難民条約のノン・ルフールマン原則に反し、国際人権機関から大きな批判を。
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