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消費税30年の攻防② 導入強行 国民の怒りの前に内閣退陣

2019-04-04 15:33:02 | 予算・税金・消費税・社会保障など
消費税30年の攻防② 導入強行 国民の怒りの前に内閣退陣
売上税の導入に失敗した中曽根康弘内閣は1987年11月に自民党総裁任期満了で総辞職しました。中曽根氏の後継が竹下登首相です。
竹下氏は一般消費税導入を画策した大平正芳内閣の蔵相(現・財務相)です。竹下氏は消費税導入時を振り返って「あれは大平さんの執念が乗り移ったんだよ」(『政治とは何か 竹下登回顧録』)と述べています。
竹下首相は内閣発足直後、政府税調に税制の全面的見直しを諮問。見直しには消費税の検討が盛り込まれていました。

議長「あっせん」
売上税が廃案になる過程で、衆院議長は与野党に「あっせん」を示していました。これは売上税法案の審議が紛糾したために87年度予算の成立が危ぶまれた事態を打開するために出されたものです。「あっせん」には与野党で税制改革について協議する、協議会の設置が盛り込まれていました。この「あっせん」を承認すれば、大型間接税に道を開く恐れがあると、日本共産党は反対。しかし、自民党、社会党、公明党、民社党の与野党が合意し、消費税導入の足がかりとされました。
問題は竹下内閣を支える自民党の衆院304議席は「大型間接税は導入しない」と公約した当時の中曽根首相のもとで得られた議席だということです。公約違反と解散を求める野党に対し、竹下首相は「内閣が変わったので公約違反ではない」「議長あっせんは直間比率是正の早期実現を要請している」などの詭弁(きべん)を弄(ろう)して国会審議をすすめました。



消費税法案廃案に向けて牛歩戦術でがんばる共産党議員=1988年12月23日、参院本会議

今も残る9懸念
竹下首相は国会答弁で、消費税について①逆進性②不公平感③低所得者への過重負担④税率引き上げの容易さ⑤事務負担の増加⑥便乗値上げ―の六つの懸念があると述べ、それらの解消に努めると表明。その後、⑦商品価格に転嫁できるか⑧消費者が負担した税が確実に納付される保証があるのか⑨地方税の減収により地方財政運営に支障が出るのではないか―の3点を加えて、9懸念すべてを解消するとしました。竹下氏はこれらの提示で「間接税をめぐる国会の論議は、従来の観念的な是非論からようやく各論に移りはじめた」(『証言 保守政権』)と述べます。しかし、これらの「懸念」は消費税の欠点であり、現在もなお、解消していません。
国会内では、社会、公明、民社の野党が自民党との密室協議で臨時国会の日程や税制特別委員会の設置に合意するなど、運営面や質疑で自民党を助けました。こうして88年12月24日に消費税法が成立。しかし、竹下内閣は国民の怒りの前に89年6月、退陣を余儀なくされます。
3%で導入された消費税は、税率を引き上げるだけで多額の税収が得られます。このことが増税への衝動を導いています。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年4月4日付掲載


消費税導入当時の竹下内閣の懸念。「税の直間比率の見直し」で逆進性や低所得者への過重負担はいまだに解決されていない。
ましてや10%への増税は許されない。

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