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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

国政にみる「維新」の正体③ 参院選へ新たな野合

2013-04-05 16:13:29 | 政治・社会問題について
国政にみる「維新」の正体③ 参院選へ新たな野合

日本維新の会の松井一郎幹事長(大阪府知事)は同党大会前日となる3月29日の夜、大阪市内でみんなの党の江田憲司幹事長と会談しました。主題は夏の参院選での選挙協力です。

12区で一本化
両党は、夏の参院選挙で2~3人区では候補者を一本化し、4~5人区ではそれぞれ候補を擁立するとし、31ある1人区では12選挙区で一本化することも確認しました。
自民党大阪府連の関係者は述べます。
「(4人区の)大阪ではもともと維新は2人擁立という動きだった。維新にとって『本丸』といえる大阪で1人に絞ったというのは意外。全国的に見てみんなとの協力がよほど必要か、昨年来のギクシャクを解消するためか、みんなの側に譲ったという印象だ」
維新は昨年夏、みんなとの合流論を否定。松井氏は「みんなの党は広がっていない。あれではいくらいいことを掲げても、(政策の実現は)できない」(8月20日)などと語っていました。破談された側のみんなの渡辺喜美代表は党内で責任を追及され、陳謝する場面もありました。
ここへきて、手のひらを返すような動きはどうしてか―。
みんなの議員の一人は「総選挙で54議席を獲得したものの、民主、自民、太陽(旧たちあがれ日本)、みんななどの出身者を除いた、純粋な維新からの当選は20人ちょっとだ。支持率も低下して橋下は落胆している」と述べます。
日銀総裁人事をめぐっては、国会議員団と橋下徹共同代表との間で不協和音も伝えられました。
自公案を評価する国会議員団を橋下氏が批判、「口を出すな」と反発する国会側に橋下氏が「もう維新にはかかわらない」と“絶縁状”をたたきつける事態にまで発展したのです。結局、国会議員団側が折れたものの、昨年の総選挙で「選挙互助会」とやゆされた野合ぶりが表面化した形です。




政策跡形なく
政策面でも、総選挙前、橋下氏が看板にしていた「脱原発」や「企業・団体献金禁止」は跡形もありません。企業・団体献金は、逆に党大会で採択した規約の付則で「当分の間…企業または団体からの寄附を受け取ることができる」と明記されました。
橋下氏は党大会で繰り返し安倍晋三首相を「礼賛」しながら、「自公過半数阻止」を掲げる倒錯した論理を展開。参院選でも3分の2以上の改憲勢力の結集を明言しました。
民主、自民、みんななどからの脱落勢力と野合(昨年9月)し、その後、太陽の党(旧たちあがれ日本)と合体(同11月)、「話題」を次から次へと変え、ついには安倍自民党との「改憲協力」を宣言するところまで行き着いたのです。
しかし、こうした野合の連続には「『既成政党化』が進んでいる」(「信濃毎日」3月30日付夕刊)との批判も。自民党関係者からも「もはや何者かわからないというより、何者でもない」という声が漏れます。(おわり)
(この連載は竹原東吾、中祖寅一、藤川良太が担当しました)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年4月3日付掲載


「何かやってくれそう」と期待して「維新の党」に投票した人の心をどう思っての野合でしょうか?
いや、そんなことをあの人たちに期待することが、そもそも間違いだったのかな?
自民はダメ、民主もダメ、維新に期待したけどやっぱりダメ、ですね。

国政にみる「維新」の正体② 響きあう“改憲の同志”

2013-04-04 18:54:36 | 政治・社会問題について
国政にみる「維新」の正体② 響きあう“改憲の同志”

「まず、皇統の問題です」
1月30日の衆院本会議。首相の所信表明演説を受けた衆院代表質問で、日本維新の会の平沼赴夫代表代行が真っ先に取り上げたのは、「男系の継承」による皇統(天皇の血筋)の存続でした。

保守色前面に
“保守色”を前面に打ち出し、憲法改定や軍事費増額を次々と問う平沼氏。答弁にたった首相は「格調高い、そして示唆に富んだご質問をいただいた」とほめたたえ、異様な響きあいをみせました。
そのはずです。平沼氏は、安倍首相が会長を務める改憲タカ派議員グループ「創生日本」の最高顧問。「『戦後レジーム(体制)』の根幹からわが国のあり方を見直」すという理念を共有し、「安倍内閣を全力をもって応援」し、憲法改定に突き進む“同志”なのです。
維新が3月30日の党大会で決定した新綱領は日本国憲法に「占領憲法」と悪罵を投げつけました。大会で橋下徹共同代表(大阪市長)は憲法前文についても「ありえない国際社会観」と切り捨てました。前文を「ユートピア的発想」として全面改定を狙う自民党の改憲草案に同調するものです。
維新の特異な国家観は、「国家の対外的な代表者は天皇」「日本は天皇を元首とする立憲君主国であるという趣旨を明記する」(馬場伸幸議員、衆院憲法審査会)という主張にも現れています。
自衛隊が「軍隊」であると明確にし、戦争や大災害など「国家非常事態」での「国民の責務」を明文化するという提起も自民党と同じです。



自民党の最右翼を歩んできた石原(左上)、平沼(右)の両氏と、安倍首相

異質な歴史
それだけに、歴史観も異質です。
「日本の戦前の朝鮮や台湾の統治は、欧米諸国の植民地主義とは違っていた」―。維新の中山成彬衆院議員は3月8日の衆院予算委でこう説き、土地・財産の収奪にとどまらず、「創氏改名」(朝鮮名を捨てさせ日本名を名乗らせた)など民族の誇りまで捨てさせた過酷な日本の植民地支配を合理化しました。
中山氏は自民党時代に暴言を吐き国交相辞任に追い込まれた前歴を持ち、日本の侵略戦争を正当化する名うての「靖国派」です。維新で復活当選した最初の質問で再び、「創氏改名」や日本軍「慰安婦」は強制や強制連行ではないという暴論を展開したのです。
維新は、侵略戦争正当化のセンターでもある靖国神社への参拝についても「総理がしっかりと英霊のみたまに参拝できる環境をつくっていくことが必要」(桜内文城衆院議員)などと促しています。
安倍首相、平沼氏、石原氏…。現在・過去と自民党の最右翼を歩んできた人物らに橋下氏が加わり、党の垣根を越えた事実上の改憲・復古連合が形成されています。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年4月2日付掲載


国政にみる「維新」の正体① 崩れる「第3極」の虚像

2013-04-03 23:26:38 | 政治・社会問題について
国政にみる「維新」の正体① 崩れる「第3極」の虚像

昨年末の総選挙で、自民、民主に代わる「第3極」を売り物に54議席を得た日本維新の会。国政進出から3カ月余、国会活動や党大会から、「正体」がみえつつあります。

安倍氏を礼賛
「安倍首相がどんどん輝いてきましたね」。30日の党大会で橋下徹共同代表(大阪市長)は、再三にわたって自民党の安倍晋三首相をほめちぎりました。
「安倍首相はどんどんいろんなことをしている」「応援するところは応援していかなければならない」。あまりの礼賛ぶりに、大会後の会見では、記者団から「他党のことをあそこまでほめる党大会も珍しい」と皮肉をあびせられるほど。
それでも橋下氏は「自民党のことはほめていない。安倍首相の大胆な方針、政治行動は高く評価されるべきだ」と開き直りました。自民党を「既得権」集団と切り捨てる一方、「安倍改革」をすすめるには「維新が必要」との売り込みです。
橋下氏が評価したのはなにか。経済主権と食料主権を米国に売り渡す環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加表明や、沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設などです。米国と財界いいなりの象徴ばかりであり、“亡国”の自民党政治そのものです。
橋下氏は、新基地建設に関して「県内移設の代替案がなければとりあえず辺野古に移して、普天間の固定化を避ける。責任あるものが考えればその結論しかない」と言い放ちましたが、そこにはどんなに否定しようと自民党政治の補完勢力にすぎない「維新の会」の立ち位置が浮かび上がります。
国会審議ではもっと鮮明です。大企業支援策と国債増発による大型公共事業という旧来の自民党政治を復活させた2012年度補正予算に与党とともに賛成。参院では1票差での可決を後押しました。日銀総裁人事も賛成、ネット選挙解禁では自公と法案を共同提出するまでになりました。
衆参の予算委員会の審議でも、片山虎之助副政調会長が「日本維新の会と自民党はかなり政策が似ているんですよ」(2月19日)と言明。安倍首相のTPP交渉参加表明には「誠に適切であり、高く評価したい」(同3月18日、山田宏衆院議員)、「素晴らしいリーダーシップ」(同・木下智彦衆院議員)と質問に立った議員が次々と賛美しました。



日本維新の会第1回党大会であいさつする橋下徹共同代表=3月30日、大阪市内

支持率が続落
「自民党そのもの」を鮮明にした同党の支持率は急降下。時事通信の世論調査では支持率が1月4・6%、2月3・3%、3月2・0%と続落。共同通信の世論調査では、衆院選直後には16・5%だった支持率が7・1%(3月)です。メディア関係者からも「色あせた」という感想がもれます。
そうしたなか、橋下氏は夏の参院選で改憲勢力が3分の2を形成することをめざすと言明。右翼・改憲姿勢を鮮明にしました。
基本路線で自民党政治を補完するだけに、改憲と新自由主義的改革でより過激に出ることで存在意義を見出すしかない「維新」の今があらわれています。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年4月1日付掲載


昨年の総選挙。大阪や兵庫などでは比例で自民党を抜いて第一党を豪語しましたが…。その実態は明らかになりつつあります。