国政にみる「維新」の正体③ 参院選へ新たな野合
日本維新の会の松井一郎幹事長(大阪府知事)は同党大会前日となる3月29日の夜、大阪市内でみんなの党の江田憲司幹事長と会談しました。主題は夏の参院選での選挙協力です。
12区で一本化
両党は、夏の参院選挙で2~3人区では候補者を一本化し、4~5人区ではそれぞれ候補を擁立するとし、31ある1人区では12選挙区で一本化することも確認しました。
自民党大阪府連の関係者は述べます。
「(4人区の)大阪ではもともと維新は2人擁立という動きだった。維新にとって『本丸』といえる大阪で1人に絞ったというのは意外。全国的に見てみんなとの協力がよほど必要か、昨年来のギクシャクを解消するためか、みんなの側に譲ったという印象だ」
維新は昨年夏、みんなとの合流論を否定。松井氏は「みんなの党は広がっていない。あれではいくらいいことを掲げても、(政策の実現は)できない」(8月20日)などと語っていました。破談された側のみんなの渡辺喜美代表は党内で責任を追及され、陳謝する場面もありました。
ここへきて、手のひらを返すような動きはどうしてか―。
みんなの議員の一人は「総選挙で54議席を獲得したものの、民主、自民、太陽(旧たちあがれ日本)、みんななどの出身者を除いた、純粋な維新からの当選は20人ちょっとだ。支持率も低下して橋下は落胆している」と述べます。
日銀総裁人事をめぐっては、国会議員団と橋下徹共同代表との間で不協和音も伝えられました。
自公案を評価する国会議員団を橋下氏が批判、「口を出すな」と反発する国会側に橋下氏が「もう維新にはかかわらない」と“絶縁状”をたたきつける事態にまで発展したのです。結局、国会議員団側が折れたものの、昨年の総選挙で「選挙互助会」とやゆされた野合ぶりが表面化した形です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/09/4891a8e8c43cfc7c64f37ca6a857df47.jpg)
政策跡形なく
政策面でも、総選挙前、橋下氏が看板にしていた「脱原発」や「企業・団体献金禁止」は跡形もありません。企業・団体献金は、逆に党大会で採択した規約の付則で「当分の間…企業または団体からの寄附を受け取ることができる」と明記されました。
橋下氏は党大会で繰り返し安倍晋三首相を「礼賛」しながら、「自公過半数阻止」を掲げる倒錯した論理を展開。参院選でも3分の2以上の改憲勢力の結集を明言しました。
民主、自民、みんななどからの脱落勢力と野合(昨年9月)し、その後、太陽の党(旧たちあがれ日本)と合体(同11月)、「話題」を次から次へと変え、ついには安倍自民党との「改憲協力」を宣言するところまで行き着いたのです。
しかし、こうした野合の連続には「『既成政党化』が進んでいる」(「信濃毎日」3月30日付夕刊)との批判も。自民党関係者からも「もはや何者かわからないというより、何者でもない」という声が漏れます。(おわり)
(この連載は竹原東吾、中祖寅一、藤川良太が担当しました)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年4月3日付掲載
「何かやってくれそう」と期待して「維新の党」に投票した人の心をどう思っての野合でしょうか?
いや、そんなことをあの人たちに期待することが、そもそも間違いだったのかな?
自民はダメ、民主もダメ、維新に期待したけどやっぱりダメ、ですね。
日本維新の会の松井一郎幹事長(大阪府知事)は同党大会前日となる3月29日の夜、大阪市内でみんなの党の江田憲司幹事長と会談しました。主題は夏の参院選での選挙協力です。
12区で一本化
両党は、夏の参院選挙で2~3人区では候補者を一本化し、4~5人区ではそれぞれ候補を擁立するとし、31ある1人区では12選挙区で一本化することも確認しました。
自民党大阪府連の関係者は述べます。
「(4人区の)大阪ではもともと維新は2人擁立という動きだった。維新にとって『本丸』といえる大阪で1人に絞ったというのは意外。全国的に見てみんなとの協力がよほど必要か、昨年来のギクシャクを解消するためか、みんなの側に譲ったという印象だ」
維新は昨年夏、みんなとの合流論を否定。松井氏は「みんなの党は広がっていない。あれではいくらいいことを掲げても、(政策の実現は)できない」(8月20日)などと語っていました。破談された側のみんなの渡辺喜美代表は党内で責任を追及され、陳謝する場面もありました。
ここへきて、手のひらを返すような動きはどうしてか―。
みんなの議員の一人は「総選挙で54議席を獲得したものの、民主、自民、太陽(旧たちあがれ日本)、みんななどの出身者を除いた、純粋な維新からの当選は20人ちょっとだ。支持率も低下して橋下は落胆している」と述べます。
日銀総裁人事をめぐっては、国会議員団と橋下徹共同代表との間で不協和音も伝えられました。
自公案を評価する国会議員団を橋下氏が批判、「口を出すな」と反発する国会側に橋下氏が「もう維新にはかかわらない」と“絶縁状”をたたきつける事態にまで発展したのです。結局、国会議員団側が折れたものの、昨年の総選挙で「選挙互助会」とやゆされた野合ぶりが表面化した形です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/09/4891a8e8c43cfc7c64f37ca6a857df47.jpg)
政策跡形なく
政策面でも、総選挙前、橋下氏が看板にしていた「脱原発」や「企業・団体献金禁止」は跡形もありません。企業・団体献金は、逆に党大会で採択した規約の付則で「当分の間…企業または団体からの寄附を受け取ることができる」と明記されました。
橋下氏は党大会で繰り返し安倍晋三首相を「礼賛」しながら、「自公過半数阻止」を掲げる倒錯した論理を展開。参院選でも3分の2以上の改憲勢力の結集を明言しました。
民主、自民、みんななどからの脱落勢力と野合(昨年9月)し、その後、太陽の党(旧たちあがれ日本)と合体(同11月)、「話題」を次から次へと変え、ついには安倍自民党との「改憲協力」を宣言するところまで行き着いたのです。
しかし、こうした野合の連続には「『既成政党化』が進んでいる」(「信濃毎日」3月30日付夕刊)との批判も。自民党関係者からも「もはや何者かわからないというより、何者でもない」という声が漏れます。(おわり)
(この連載は竹原東吾、中祖寅一、藤川良太が担当しました)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年4月3日付掲載
「何かやってくれそう」と期待して「維新の党」に投票した人の心をどう思っての野合でしょうか?
いや、そんなことをあの人たちに期待することが、そもそも間違いだったのかな?
自民はダメ、民主もダメ、維新に期待したけどやっぱりダメ、ですね。