朝から厚い雲に覆われていたが、午後になって本格的な雨降りとなった。
昨日までの青空が信じられないような天気の変わりようだが、集落の稲刈りもほぼ終わったところなので一安心できる。
ただ、ハサ干し中の稲束にとって影響はあるが、長雨でもなさそうなので、気にするほどのことはない。
近所の人から、大きな宿儺(すくな)かぼちゃをいただいた。
長さが50センチで重さが3キロほどもあるので、両脇に抱えてやっと持ち帰った。
皮も薄くて甘みが強いので、砂糖を加えることもなく、そのままチンして食べてもおいしい。
とても食べ切れないので、適当な大きさに切って、ジップパックなどに小分けして冷凍すれば、おいしさや新鮮さが保たれる。
高山市丹生川で長く作られていたかぼちゃであるが、品種改良などの手が加えられていないので収量が少なく、市場に出回ることはなかった。
ヘチマのような独特の形と、栗に似たホクホクとした食感と甘みが好まれて、地元のスーパーや朝市に並ぶようになった。
地元の生産者は、栽培法や料理法などを研究して、ほうれん草やトマトに次ぐ特産品に育てようと、熱心に取り組んでいる。
両面宿儺像(千光寺所蔵)
両面宿儺は「日本書紀」にも登場する伝説上の英雄で、飛騨から美濃を治めていたと言われる。
仁徳天皇と戦って討伐されてしまうが、今でも地元の人々には農耕の指導者として敬われ、毎年「宿儺まつり」も開催されている。
丹生川町の千光寺を開山したとも伝えられ、寺宝館には円空作の両面宿儺像が展示されている。
朝廷側からは逆賊とされていたが、かぼちゃに化身して、再び飛騨の英雄として蘇ってきた。