コピー取りからの出発(水内猛)

先日の仙台戦、試合前のビフォーゲームトークショーで、写真の水内猛さんを見かけました。GGRの司会で、レッズサポにはお馴染みの名前ですが、彼も下積みで苦労した時期もあります。神奈川県の旭高校から当時の日本リーグ三菱自動車入りした水内ですが、高校時代は無名選手でプロ契約をさせてもらえず、本人曰く「コピー取りをしていた」という社会人生活からスタートします。

浦和レッズの前社長だった淵田敬三さんが当時の上司で、部下だった水内のことはよく覚えているそうです。そんな水内ですが、トップチームで負傷者が続出した1993年シーズンにチャンスが回ってきました。上背こそそれほど高くないものの、ヘディングには強い方で、そのヘディングで当時のチーム得点王となる7ゴールを挙げて一躍注目されます。ゴール後の「キャイーン」の真似でも知られました。

翌1994年、日大を中退した同い年の岡野雅行がレッズに入団してきます。当時、この二人は仲が良く、水内がよく冗談で、「我が家に長い髪が落ちていたら岡野のものですよ。」と言っていました。しかし、圧倒的なスピードを持つ岡野は技術的には未完成だったものの、当時のトップチームで起用され水内の出番を減らすことになります。

1995年シーズンは福田正博が得点王に輝いた年で、2トップを組む相手は岡野が多くなります。水内は5月のV川崎戦で岡野のダイレクトボレーをアシストしましたが、この年限りで浦和を戦力外になり、当時JFLのブランメル仙台(現ベガルタ仙台)に移籍して浦和を去ります。仙台では2年間プレーしましたが、チームをJリーグに昇格させることは叶わず、1997年に仙台を戦力外になって現役にピリオドを打ちます。

1998年に、当時テレビ埼玉のGoGoレッズのMCの上野晃氏が退くことになっており、その後釜に指名されたのが水内でした。当時の水内はキャスターとしては未知数でしたが、当時のアシスタント田中裕子氏が年上でカバーしてもらい、今年まで21年間その任務を務めています。司会ができるのが、今の水内の強みになっています。

こういうトークショーで司会になるのも水内ならではです。水内を中心にOB戦でレッズOBは集まってくるので、また彼らの技術を駒場スタジアムのピッチで見るのを楽しみにしたいですね。