今日も雨は降っていないものの、梅雨の時季らしい空模様になっている。しかし、12日午後では、その時季の最中であることを忘れさせるかのように、透明な青空が広がった。何事にも例外があることを今更ながらに実感しつつ、月の出のときまで青空が消えないことを願った。
十三夜の月(旧暦13日目の月)が、まだ夕暮れが迫っていない時間帯に近くの山並みから姿を見せた(午後5時半頃)。
木の葉の間から、その月を撮ってみた。「芭蕉葉を柱にかけむ庵(いお)の月」(松尾芭蕉)。芭蕉はどのような月を眺めたのであろうか。いつものように、当方の空想はタイムスリップした。葉は芭蕉ではなくてサザンカのものであったが。
暗くなると、十三夜の月は明るく輝いた。午後7時半頃。
ところで、翌日と翌々日(十五夜、望)では、厚い雲に邪魔されて月がどこまで昇っているのか全く判別できなかった。今月の天候は気まぐれだと承知していても、望の梅雨時らしい輝きも眺めたかった。残念である。
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さて、こんな景色にも透明感が満ちていた。午後5時過ぎに現れた積雲である。
青空に濁りがなかったことを反映して、積雲そして雄大積雲(入道雲)には生き物を思わせるような雰囲気が漂っていた。
夕日に染まる積雲が月の方向にゆっくりと流れてきた。日没のときまで、雲の彩りは美しかった。
両者を同一アングルで撮りたかったが、雲が月に近くなる前に、それの彩りは日没で消えた。
撮影、6月12日、桐生市にて。ホワイトバランスは太陽光に設定。