今月の満月は、月日と時刻の各々で同じ数字が並ぶ天体イベントであった(望(満月)は10月10日午前5時55分)。もっとも、月の出(群馬)は午後5時36分であり、前日に昇った月も10日午前4時39分(群馬)に沈んだので、語呂合わせをしてみたくなりそうな「望」の姿は望んでも望めないものであった。余談ながら、当方の語呂合わせ(駄洒落)は、イロイロ(雲、当地にて)とゴろゴろゴろ(上州名物「雷」)になりそうだ(苦笑)。
それはさておき、10日午後7時頃、満月に近い形の月(擬満月(当方の造語)、月齢14.2(正午))を何とか撮ることができた。
なんとかと前置きをしたのは、月が昇る直前に上空が雲で覆われたからだ。月の昇る位置に浮かんでいた雲に切れ間が生できたときは、年甲斐もなく「ラッキー!」と思わず呟いてしまった。小学生であったとき、海外での皆既日食・ラジオ実況中継で聞いた観測担当者の呟き「何と言うことだ!」がいまだに耳に残っているからだ。その呟きは皆既食の直前に現れた厚い雲に対するものであった。
これらの画像では月光彩雲に露出条件を合わせているので、月表面に対しては露出オーバーになっている。「中秋の名月」の記事でも触れたが、カメラセンターのダイナミックレンジは使い古した我が眼のセンサー(網膜)にくらべて著しく狭い。アップした画像は、カメラに対する苛立ちと我が眼に対する安心感が入り混じった状況で撮ったものである。
このときは、ある種の感慨にひたってシャッターボタンを押した。
薄い雲が流れて来ると、満月のときならではの月光環が現れた(その色は薄かったが)。
ある高さまで昇ったとき、月が薄いカーテン(雲)を通してのように輝くことがあった。
10月10日午後6時半頃から、桐生市にて。ホワイトバランスはオートに設定した。太陽光条件で現像すると、月の色が肉眼で感じたそれよりも幾分か赤味を帯びる。
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翌日も雲の影響を受けたが、陰暦16日目の月(十六夜の月、月齢15.2(正午))が輝いた。なお、画像で感じるよりも、肉眼では前日の月との間で満ち欠けがはっきり感じられた。
半径の大きな月光環は現れなかったが、このような光環がときどき夜空は明るくした。
比較のために、前夜での画像を並べてみた。
10月11日午後8時頃から、桐生市にて。ホワイトバランスはオートに設定した。