草花を育てていると、ときに思いがけない出来事に出会う。庭の木陰で、いま一株のクマガイソウが花を開いている。19年に花付き苗を常緑樹の木陰になる位置に植えた。翌年、クマガイソウは再び発芽して花を開いたが、花期終了後、地中に住む動物(モグラ)によって食害を受けた。そのため、一昨年および昨年において、このものの姿は現れなかった。
クマガイソウ(熊谷草、ラン科アツモリソウ属の多年草)は地下茎を長く伸ばして群落をつくる。庭に小さな群落が生まれることをほのかに期待した者として、当方は食害防止策に対して無関心であったことに自責の念を持ち続けた。ちなみに、自生種は絶滅危惧種(環境省レッドリスト)に指定されている。
ところが、今年は19年のときからは少し離れた位置で、クマガイソウ(熊谷草、ラン科アツモリソウ属の多年草)が発芽して花を開くまでに成長した。
木漏れ日で、袋状の唇弁がともしび(灯火)のようになるときを待って(5月2日)
扇状にひろがる特異な形の葉に、シャクナゲからのしべ(蕊)が落ちている。
クローズアップ
花弁(側花弁)には赤紫色の斑点があり、軟毛が生えている。
優しい色と質感のツボミと扇(葉)(4月中旬、ドクダミの群れの中にて)
雨に濡れて、20年5月
取らぬ狸の皮算用。食害を受けずに地下茎が伸びて、来年は複数株のクマガイソウが花を開くことをいまから期待している。
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余談ながら、今年も珍しい双頭花に植生地で出会うチャンスを逃した。
19年5月
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落椿(菱唐糸)、朝の木漏れ日を浴びて(5月5日)
明日から来週月曜日まで、日差しは期待できないとの予報が出されている。
メモ
タイトルに「3年ぶり」とのフレーズを加えるにあたって、念のためにネット検索をしてみた。
「NHK 放送文化研究所 HP > 放送現場での疑問・視聴者の疑問 >「〜ぶり」の使い方や数え方」 から
◆ 数え方。「○年ぶり」、すべて満の数え方をします。
◆ 「〜ぶり」は、語感の中に「待ち望んでいることへの期待感」を含んでいるので、「〜ぶりの大病」などという言い方は普通しません。