今日は雨模様にて気温は高くありませんが、今週は日差しがないのにかかわらず蒸し暑い天気が続いています。さて、育てているネジバナでは、開花と受粉が終わり、花茎にタネを放出した果実の残骸(裂開果実)のみが残っています。
花が盛りのときは、アリやアブのみならずミツバチ、そしてチョウなどが小さな花の列を訪れました。アップした画像はミツバチやシジミチョウが訪れたときにマクロレンズで撮ったものです(忙しく動く訪花者に振り回されましたが)。
個々の花とミツバチ、両者の大きさが不釣合であることにおいてユーモラスです。それにしても、ハチは花びらをしっかりと掴んで吸蜜しています。そして、後ろ肢には花粉が付着しています。
ミツバチ(体重、約100 mg)は花蜜(20〜40 mg)のみならず15〜50 mg の花粉を着けて巣に戻ると言われています(日本養蜂協会 HP)。
他家受粉を成功させるために、花から花ヘと飛び回るミツバチはネジバナにとって格好の訪花者です。ネジバナは、花粉運び屋(花粉媒介者、ポリネーター)を巧みに誘うことにおいて、他のラン類に劣らずしたたかです。
受粉後、タネをつくっている子房(果実)は次第に膨らみます。そして、膨らむにつれて、花期が終わるまでの捻じれはは小さくなります。花の列での捻れは自家受粉を避ける手段としての役割を担っています。
一つの花に数千から数万個のタネができます(東京学芸大学 HP、学芸の森)。この画像は強い風が吹いてくる前の姿です。放出された小粒のタネが、成熟し開裂した果実の表面と花茎に付着しています。
風を受けた後、表面と花茎についていたタネの大部分は飛び散ってしまいました。
タネは、発芽に必要なタンパク質や他の栄養素を貯える仕組み「胚乳」を持っていません(東京学芸大学 HP )。ネジバナの根元に共生する菌類からそれらを得て、タネは発芽します。この点において、ネジバナは一種の寄生植物です。
ネジバナを実生でふやすためには、果実が黄色を帯びた状態で花茎ごと袋に入れて集めたタネを、根元近くに蒔くことが求められます(みんなの趣味の園芸、NHK出版)。余談ながら、なんとなく花茎を切り取ることが嫌で、わたくしはこの方法を実行したことがありません。花茎が枯れて折れるまで、そのままにして置きます。
ー 6月下旬〜7月上旬 ー