こつなぎの写真ノート

身近な自然の彩りを楽しみながら

昨夜の土星食を撮って (12月)

2024-12-09 | 月、月光彩雲

土星食がはじまって(カメラ設定時刻:18時22分35秒)

 

昨夜(8日)、土星が月に隠れる過程を追った。上の画像はその一コマである。国立天文台の発表を引用すると、⚫️ 月はほぼ半月状態である(今日0時27分に上弦)。⚫️ 土星の明るさは1等級である。⚫️ 土星は月の明暗境界線からわずかに暗い部分側に入った線(暗線)で隠される(潜入する)(同天文台HP)。

自分の道具は一眼レフ、望遠レンズ(70ー200 mm )、三脚、リモートシャッターボタンである。これらの道具で、⚫️ 暗線を写し出すために、その部分での地球照(地球からの反射)を浮かび上がらせる。⚫️ 土星の見かけの大きさを比べたいので、月面のクレーターをはっきりと撮る。との目標を設定した。何か目標がないと億劫になる習性の持ち主として(苦笑)。

高感度とスローシャッタースピードで撮れば、地球照についてはそれなりの結果が得られる.。しかし、月面に対しては露出オーバーとなり、クレーターがはっきりとは撮れない。結局、試してみなければとの気分で月にレンズを向けた。

 

日中に浮かんでいた雲は消え去り、月が明るく輝き、南西の方向では金星が輝いていた。ところが、月の輝きに妨げられて、肝心の土星や月面での地球照が肉眼では見えなかった。潜入開始時刻(東京では18時19分)が迫っているので、幾分か焦りを感じながら選んだ設定条件で撮ってみると、土星がはっきりと、地球照はそれなりに、そしてクレーターもはっきりと、カメラのデスプレイに現れた。「感想」聞かれるならば、これで記事がアップできると答えるかも.....。

 

土星が潜入する前にて

カメラ設定時刻:18時18分18秒

 

潜入がはじまるときに(土星食の開始)、潜入の開始から終了まで約1分間。

カメラ設定時刻:18時22分27秒

 

土星が再び現れた後にて(矢印はおおよその潜入・出現経路。潜入開始から45分後、月がより傾いていた)

カメラ設定時刻:19時07分42秒。土星の存在をはっきりとさせるために、撮影での感度を高くした(ISO感度 2500)。そのために月面については露出オーバーとなっている。

上の画像をトリミングで拡大すると、土星のリングが微かながら視認できる。ガリレオが1616年にリングの存在を明らかにしたときの喜びを共感できたような気分にて....

 

余談ながら、能のワキ役として著名であった方(人間国宝)が、その役を演じるとその時代に入り込めた気分になるとTV番組で語っていた。

 

12月8日18時過ぎ(北風と今月下旬並の気温)、桐生市にて、望遠 200 mm(APS-C換算 320 mm)。

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次回の土星食は2025年2月1日(白昼での現象)、夜に土星食が観測できるチャンスは2037年とのこと。

 

他の惑星食、例えば、天王星食と皆既月食とのダブル食については、この記事をご覧ください。