地蔵岳(1673 m)は、旧中央火口丘として展望の頂きである。気象条件が整うと、山頂での褒美は広大な展望となる。また、山頂は赤城山内の峰や湖を一望する上でも格好の位置にある。この記事での画像は、5月6日に撮った。
青空、巻雲、そしてアンテナ群(山頂にて、15時30分頃)
巻雲は、寒気と暖気が上空でぶつかりあっていることを暗示する。
この日(6日)、赤城山の東、南、西方向は雲海で囲まれていた。しかし、北方向の展望は、トップクラスにランクしたくなるほど、クリアーであった。このような景色が待っているからこそ、登ったときの高揚感は強くなる(撮影、15時頃)。
山内では、左から黒檜山(最高峰、1828 m)、小黒檜山、五輪尾根、大沼。最奥の稜線では(左から)武尊山、笠ヶ岳、至仏山、燧ヶ岳、会津駒ヶ岳、四郎岳など。
カシミール3Dによる山座同定図
武尊山(左)から燧ヶ岳(右)までのクローズアップ
上越国境方面のクローズアップ
カシミールによる山座同定。
黒檜山の右奥(駒ヶ岳の上奥)は、袈裟丸山、男体山(日光)など
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地蔵岳信仰の面影(16時頃)
山頂からは、赤城山の三方向が雲海で囲まれていることが一目瞭然となる。東方向。(左から)駒ヶ岳、篭山、鳥居峠、小地蔵岳、長七郎山、そして小沼。小沼の色は見る角度、天候、季節に応じて変わる。
左端の頂は駒ヶ岳、奥の稜線は袈裟丸山だ。中央の窪地(水面)は覚満淵、右端は小地蔵岳である。かつて、覚満淵は豊かな植生の湿原であった。
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東南方向では、気温の逆転相と雲海の眺めがはっきりとしていた。逆転相の上に富士山が見えると、絵葉書の構図ができあがるだろう。この日、構図は未完成であった。
南西方向では、荒山(1571 m)と鍋割山(1332 m)が雲海の岸辺の如くに見えた(15時50分頃)。南側(左)と北側(右)での差は、赤城山で雲海ができる気象条件を探る上で興味深いかもしれない。これらの山と地蔵岳の標高差は、それぞれ100 mと350 mである。画像において、左の切れ目は銚子の伽藍である。
銚子の伽藍のクローズアップ。伽藍は小沼を源とする川が流れ落ちる峡谷だ。痩せ尾根の先端の展望台からの眺めには迫力がある。しかし、伽藍では転落死事故が過去に起きている。
時刻は16時。山頂には私達だけとなってしまった。アカヤシオの尾根が日陰に入る時間帯を逃したくない。急いで鳥居峠に戻った。山頂と八丁峠登山口との標高差は約200 mである。私達のようなスロー派でも、30分程度で山頂に着く(ただし、花の季節では1時間)。
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こつなぎの写真ノートから転載。
まんまとガスに巻かれていました(笑)
ちょうど境目だったみたいですね。
コメント、ありがとうございます。
鍋割山~荒山でガスにまかれたとのこと、
ご苦労さまでした。雲海の高さが推定できそうです。
こちらは、地蔵岳で空の色の深みにはまっていました(笑)。
しかし、鍋割山や荒山と異なって、地蔵岳では花の気配が
全くありませんでした。
本当に絵葉書の様な撮影技術ですね。
センとはカメラ違いでこのように変化するとは・・・・・・(いや腕に違いかも)
数日内に鍋割山、荒山を山歩(さんぽ)してきますよ。
こつなぎ様は こつなぎ側のカッコソウ保護地 ベンチの設置は いかが?
コメント、ありがとうございます。
気象条件が良かったので、写りが良くなったようです。
ピント合わせでは、ファインダーの隅々を眺めながら、オートとマニュアルを
併用しています。また、自分がどのような環境で撮っているかを、できるだけ
表現するつもりで構図を決めています。
赤城山はこれからが面白くなりますね。今日は篭山そして鳥居峠の先で
アカヤシオを撮ってきました。
ベンチの件については時間をください。