雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

フラットは甘くない!(追加報告)

2014年02月21日 | 画像処理のはなし
カメラ内のミラーボックスによるものと思われるカゲリは取り切れていないものの
フラット画像のダーク減算・・
フラットパネル無しでの取得
で大きな成果が出たという事で、検証は一区切りとしました。

その後、コンポジット枚数を増やして(32枚)作成したダークファイルで
過去の画像の再処理を始めたのですが・・

最初に再処理に選んだ画像は
昨年3月にバーダーのコマコレクターで撮った最初の画像。
コンポジット後、レベル調整だけ終わった画像 (使用ソフトはSI7
( 画像クリックで拡大表示 )
 
左が以前のもの、右が新フラットで処理したもの
レベル表示巾は同じ500で強調してあるのですが、新フラットの方は周辺減光は
緩和されているものの、画像左側がなぜか明るくなっています。
処理の終わった完成画像の比較です。
 
左が以前のもの、右が新フラットで処理したもの
ほんとは以前に比べて見違えた画像をお見せできるはずだったのですが、
左側の明るいムラが目立たないよう苦労してやっとこの程度でした。

原因はフラットが合っていない事につきるのですが、なぜ・・?
(ゴミの影が白く浮き出たのは、1年前とゴミの状態が変わっているため。)

最初に疑ったのは、フラット画像のRGBバランス
撮影画像と大きくちがうのではないかという事。
canonDPPを使ったRGBヒストグラム比較です。
撮影画像  (ISO 1600 300sec LPS-P2FIL 60D)
RとBが高めで背景がパープルがかっているのはLPS-P2フィルタの特性です。

処理に使ったフラット画像 (ISO 1600 15sec LPS-P2FIL 60D *夜間曇り空)
RとBが高めで背景がパープルがかっているのはLPS-P2フィルタの特性です。
一見すると違いはあるのですが、この程度なら許容範囲ではないでしょうか?
例えば、余りにカラーバランスがくずれていたので使わなかったフラット画像では
これは薄明終了後の朝方撮ったものですが、色温度が高くRGBが完全に分離しています。
これでフラット処理を行えば、RとBが強調されたオレンジ色がかった画像になるのでは?
*徹夜で撮影し、薄明でフラットを撮っている人はどうしているのでしょう?

次に、周辺減光特性を比較してみました。
撮影画像
光度曲線の中心がやや左に偏っている事がわかります。(左が明るい)

処理に使ったフラット画像
撮影画像とは逆に光度曲線の中心はやや右になっています。
もともと左側が明るい撮影画像に、これで補正をかければ
更に左側を明るく、ヒストグラムで光度の低いGを特に明るく。
フラット処理後のばら星雲の画像で、左側が緑っぽくカブっている事の説明がつきます。

従来から減光に偏りがある事は知っていました。
わたしは撮影の際はできるだけ天の北の方角を合わせるようにしてきたのですが、
撮影対象によって縦・横の構図を変えています。
減光特性はこの縦・横の構図でも違ってきます。
このため、以前の簡易フラットの場合でも縦と横の2種類のフラットを用意してきました。
ただし、鏡筒の向きによっては180度回転したカメラ位置で撮っている場合があります。
今回のばら星雲も鏡筒に対してカメラの取り付け角度が
新フラット画像と180度違っているものと思われます。

だから、光軸調整を行って周辺減光の偏りを無くせといってるのに!
今後は鏡筒に対するカメラの向きを意識して揃えることにします。
(光軸調整はどうした?)

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春が来るまで、再処理画像で見違えた画像でしのぐ作戦。
早くもつまづいています。
それどころか、フラット処理で泥沼にはまりつつある予感が・・

雲上くもがみ
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コメント (4)
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