あぁ ~ ~ ~ ~ ~ ~

ガキの頃、役場に連れられていくと、
板張りの床であり、しかも土足であった。
靴を履いたら地面だし、板の間は裸足であったから、
なんとも、足もとの感触が違うのである。
歩いた時の音も気持ちいいのである。
なんだか街に来たみたいであった。
天井では、大きな羽が静かに回っていた。
初めて見た。
驚いた。
プロペラの様でカッコイイ。
板張りの床、土足、天井扇、、、
こんな感じの所に住みたいな~と思ったものである。
もう1つ、不思議な物が・・・
役場のおっちゃん、
両腕に、黒い物をしている。
腕抜きと知ったのは随分と後で、
その必要性が理解できたのは、もっと後のことである。
ばあちゃんは、畑の草取りの時に、派手なのをつけるが、
事務職の人でしているのは、さすがに見なくなった。
扇風機といえば、
羽まで鉄製で、ブンブンと回っていて、
首を振るのも、リンクが見えてカタカタとなっていた。
鉄製の羽が勢いよく回っている、
子供が触ったら、指が飛んでしまうだろう。
一般家庭にひろまったのは、
アクリルの羽になってからだ。
淡いブルーやグリーンで、見るからに涼しげである。
しかも、ろくろ首のようにシューーッと伸びる。
風量も強弱だけでなく、微風など増えた。
モーターも飛躍的に静かになり、自然の風に近づいた。
タイマーも付いた。
寝る時に扇風機を止めて、寝苦しい思いをしなくて良いのだ。
なにせ、扇風機の風を朝まであたっていて死んだ。
というニュースもあった。
それから、ファンガードに手が触れると、
瞬時にファンが止まる。
物が触れても止まらない。
手だと止まる。
足も、止まる。
寝転んで、足で向きを変えたりしようとすると止まる。
座敷用の扇風機はスイッチ操作もしやすくて、
立っていても足の指で止めたりできる。
行儀が悪い!
とよく叱られた。
扇風機の直前で1人占めしてると猛抗議を受ける。
タバコなど吸うと、早く燃え尽きてしまうし、
煙が嫌いな者には嫌味を言われる。
究極は風上で屁をこいたら、それはもう顰蹙ものだ。
回ってる扇風機に向かってしゃべると、
異様な響き方をして面白い。
いろいろしゃべっていると、
「うるさい!」
よく言われたものだ・・・
今、末っ子達がやっている・・・
ち~きゅ~う~じん~に~つぐ~~~
わ~れ~わ~れ~は~う~ちゅ~う~じ~ん~~~
