只今、「くりのみ会・道元とカウンセリングコース」から帰宅しました。
先日のブログで、4月13日の毎日新聞に掲載された鷲田清一さんの記事を図書館へコピーに出かけると書いたものでした。
嬉しいーですね。
今晩、【くりのみ会】にご参加の高田さんがコピーを持参してくれました。
高田さんは、毎日、私のブログ《聞者くりのみ“日乗”》をも見てくださっている由。
かんしゃ・感謝です。
早速、毎日新聞4月13日(朝刊)からの【落穂拾い】をお届けします。
再生への視点
被災者の望みを聴いて
鷲田清一氏(哲学者 大阪大総長)
大阪大学本部も立地する千里ニュータウンは、日本初の大規模ニュータウンとして開発され、来年50周年を迎えます。アクセスの良さから人気の高い住宅地ですが、50周年の歴史にふさわしい趣があるかというと、残念ながら、そうは言えない。買い物は大規模店舗で映画館もシネコン。便利だけれど、本当に豊かで、満ち足りた生活があるのか、具体的に見えてこない。
原因は、消費だけだからです。世帯主の多くが大阪の中心部に通勤し、働くという人間生活にとって最も重要な要素を基にした人間関係が育たなかった。職住一体の空間こそ、本当のコミュニティーが形成され、文化も育ちます。親の働く姿が見えない町、通勤1時間も2時間もかけ、お父さんは夕食を家で食べないのが当たり前。みなさん気づいていることですが、そんな国は世界でもまれです。
大上段に振りかぶらなくてもいい。被災地の人の希望を丹念にくみ取っていけば、あるべき復興の姿は見えてくるはずです。その覚悟が問われています。
個人的なことですが、大阪万博の頃、2年ほど大阪で勤め人をやっていました。
会社は梅田。寮は蛍池。
当時の大阪の活況が思い出されます。
さて、大震災・原発事故。
ただ、復旧・復興だけで良いとは思えません。
戦後の焼け野原から、モノと金を中心とした成長路線を突っ走ってきました。
この数年は、ご存知のように経済が冷え込んでいます。
ラジオ番組からの情報ですが、大震災・原発事故・計画停電等で、お父さんの帰宅が早くなった。これまでそれぞれの部屋で過ごしていたのがロウソクの下で家族全員が集合。古座億団欒お父さんも一緒に夕食をしているとのメッセージも多く聞かれました。
この頃の日本は、モノや金に執着して、大事なものを忘れていたのかもしれません。
鷲田さんの言葉を借りれば、日本人の「覚悟」が核心の課題のように思います。
私は、「美しい日本」「勤勉で穏やかな国民」「楽しい団欒」を大事にしてもらいたいので、原子力発電はできるだけ早く卒業としてもらいたいものです。