昨日午後、築地本願寺の仏教文化講座に出かけ、
高史明先生の「危機の時代と浄土真宗」の講演をうかがってきた。
講演の中で、高先生が紹介していた和讃。
よしあしの文字(モンジ)をもしらぬひとはみな
まことのこころなりけるを
善悪(ゼンアク)の字しりがおは
おおそらごとのかたちなり
「善悪の字しりがお」とは、いまの世の中の出来事でいえば、原発を「安全・安心」といって推進してきた原発村といわれるところに棲む学者の先生方のことが連想されます。
また、昨日のラジオで外交評論家の手嶋龍一さんのコメントが良かったです。
「外国から日本の現状を見ると、日本の政治家・東電関係者・学者etcに対して信頼をよせていません。失望しています。一方、外国メディアの方々が感動して報告しているのは、大震災・原発事故に被災され大勢の大勢の方々を亡くしていても、静かに落ち着いて対応して将来に向かって歩んでいる東北の方々の柔らかな表情です。外国の方々は、日本のリーダーには失望しています。でも、東北の方々や日本の国民に対しては尊敬の念をもっています。ですから、外国からも応援が届くのです」(要旨)
最澄の『山家学生式』には、次の言葉があります。
国宝(コクホウ)とは何物(ナニモノ)ぞ
宝(タカラ)とは道心なり
道心ある人
名づけて国宝と為す
故に古人の言(イ)わく
径寸十枚(ケイスンジュウマイ)、是れ国宝に非ず
一隅を照らす
此れ則ち国宝なりと
(中略)
道心あるの仏子
西には菩薩と称し
東には君子と号す
悪事を己に向かえ
好事を他に与え
己を忘れて他を利するは
慈悲の極みなり