カウンセリング研究会【くりのみ会】のお仲間・岩◇さんお勧めの一冊。
ワイルド・スワン(中)
ユン・チアン著 土屋京子訳
講談社文庫 1993年3月1日 1刷発行
この作品は、1993年1月、講談社から刊行。
当時、随分と評判になったようですが、ボクは読んでいませんでした。
区立図書館から、借りてきました。
もう、読む区民もいないようで、集密コーナーから出してもらいました。
執筆のきっかけは、
イギリスに留学したいたユン・チアンのもとを母親が訪ねる。
その時に、一族の苦難の歴史を語ってくれたことだそうです。
本書の内容は、中国の近代史・文化革命の混乱、毛沢東の悪政を下敷きに、
一族と著者自身の葛藤・成長を描いたものです。
いまちょうど、
毛沢東の悪政。大躍進の失敗とその後始末のところ。
ちょうど、1959年末から1961年にかけての大飢饉のあたりを読書中。
中国全土の、餓死は本当にヒドすぎます。
もちろん、農民を取り締まる側、共産党員間の権力闘争の熾烈さ、密告等々も醜いものです。
絶対的権力者・毛沢東の(面子)を守るための悪政・粛清・弾圧…
本当に、全体主義・共産主義は、恐怖であります。
キーワードは、「権力者の面子」。
そうそう、このお国の官僚組織の混迷、官僚倫理の崩壊。
これも、ぼっちゃん権力者の(面子)のためか!
真っ当な政治・愚直な政治家の出番ですよねー。