先週の金曜日は、2学期最後の読み聞かせ当番の日でした。
ペアさんとふたりで4年生のクラスへ行く予定でしたが、前日の朝になって
風邪をひいた方の代わりにひとりで3年生のクラスへ行くことになったので
選書も仕切り直しました。
初挑戦で『ちいさなもみのき』を読んでみようと決め、10分近くかかる絵本なので
1冊でもいいかなと思ったのですが、その前に、短いけれど、とてもあたたかで
この時期にぴったりのこちらも読みました。
うさぎさんの次に、ろばさんが雪の中でさつまいもを見つけて、
家に帰ってきてみたら、かぶが置いてあったのを見て、
「ゆきが こんなに ふって、
とても さむい。やぎさんは きっと
なんにも たべものが ないでしょう。
このかぶを もっていって あげましょう」
のところで、どうやらこれは繰り返しになるのでは?と気が付いたようで、
ふふふと笑っている子もいました。
1年生だとしばらく読むまでは、それに気が付かないので、学年があがると
やっぱり違うものだなーと思いながら読みました。
2冊目は、今日のメインのこの絵本。
とても好きな絵本ですが、教室で読むのは初めてでした。
ベッドから一度も出たことがない、足の悪い息子のために、森にもみの木を
探しに来るおとうさん。
ちいさすぎもせず おおきすぎもせず
かたすぎもせず やわらかすぎもせず
きれいな みどりの ちいさなもみのき
わたしのむすこに ぴったりだ
つよく いっしょに のびていくんだ
父の気持ちが、痛いほどに伝わってきます。
春になるとまた森へ返され、次の冬にはまたおとうさんが迎えに
来てくれて、
おとこのこも、もみのきも、まえより すこし おおきく
なっていました。
けれど3年目の冬は、雪の降り出しがいつもより早く、森は雪に包まれ、
待てども待てども、おとこのひとは きませんでした。
クリスマスなしでは、このよは、ただ おおきく、
つめたく、からっぽにみえました。
と、もみの木があきらめかけた頃、遠くからクリスマスキャロルが
聞こえてきて‥その子供たちの先頭に居るのは、
あの ちいさなおとこのこでは ありませんか。
おとこのこは、ゆきのうえを あるいてきたのです。
もりのはずれの、じぶんのきの ところまで、あるいて
やってきたのです。
男の子にとって、もみの木にとって、そしてもちろんおとうさんにとって、
こんなに嬉しいクリスマスがあるでしょうかー。
3年生は、しんと静かに最後までよく聞いてくれました。
担任の女の先生が、私が本を閉じたあと、
「みなさんのところにも、クリスマスがやってきますね」と言ったのが
印象的でした。
プレゼントをもらうだけがクリスマスではないですものね。