あ、この映画観たいな、と思うのはどんな瞬間ですか?
私の場合は、好きな俳優・女優さんが出演しているものが
一番のポイントで(笑)、次に〇〇監督作品とか、〇〇賞受賞作品とかも
チェックしますが、それ以外では、ロケ地や舞台がニューヨークのものは
たいてい「観たい」になっています。
なので、こちらの映画は、そのすべてが備わっている‥主演がケイト・
ウィンスレット、監督はウッディ・アレンそして舞台はNYコニーアイランド
(しかも50年代)‥ので、もちろん観に行きました。
オリジナルタイトルは、Wonder Wheel
コニーアイランド遊園地にある、観覧車のことです。
ストーリー的には、何も解決しない、アンハッピーエンドな
映画なのですが、不思議と後味が悪くないのはなぜなんだろう?
全体のトーンと流れてくる音楽のせいなのか? と、帰り路で
ずっと考えていました。
↑のポスターは、主役のケイト・ウィンスレットの部屋ですが、
なぜ窓の外にあんなに大きく観覧車が見えているのかというと‥
遊園地の「中」で暮らしているからなのです。
部屋と、職場(遊園地内のレストラン)と、愛人との密会の場所
(遊園地内のボードウォークの下とか)がものすごーく近いというか
すべてコニーアイランド内で、たまに愛人のアパートメント(マンハッタン)
でも密会するのですが、そのときも突然部屋の場面で。
たとえば、地下鉄に二人で乗るとか、そういう移動のシーンはないのです。
だからなのかな‥映画というよりは、演劇を観ているような気持ちが
しました。
人生は、つらく苦しいことに直面しても、降りるタイミングがなかなか
つかめない観覧車、ということを示唆しているのかなあと思いますが、
どこかのタイミングで、無理やりにでも「別の場所」へ飛び降りて行って
ほしいという願いを、主役のジニー(ケイト・ウィンスレット)に託しつつ。