ヒナタノオトのサイトの中に「お気に召すまま」という
染め織りのnomamaさんが書いている読み物があり、それで
この映画を知ることができました。
「カーマイン・ストリート・ギター」。
マンハッタンのカーマインストリートにある
ギター工房兼ショップの日々を切り取ったドキュメンタリーです。
マンハッタンから出る廃材でギターを作る店主と弟子、
そこに訪ねて来るミュージシャンたち。
作り手の作る喜びと使い手の奏でる喜びに満ちています。
作ること、繋げること、使うことが
シンプルに描かれたこの作品に夏の暑さ以上に胸を熱くしました。
と、nomamaさんは綴っていて‥「マンハッタン」「ギター」
「ドキュメンタリー」「ミュージシャン」「廃材」(もかな?)
私以上に、うちの店長が好きなフレーズが目白押しで、これはもう観に行くしか
ないよね、となったわけです。
グリニッジビレッジの古いビルにある工房兼ショップで働いているのは
わずか3人‥店主のリックと、弟子のシンディ(ぴったりな名前だと思いました!)と
電話番担当?のリックのお母さん。
そこへ、ある日はジム・シャームッシュが、調子が悪いと言ってギターを抱えて。
また別のある日は、ルー・リードのギターのお世話係をしていたスチュアートが
思い出話をしに。またある日は、パティ・スミス・バンドのレニー・ケイや、
ボブ・ディラン・バンドのチャーリー・セクストンも!!やってきて、リックと
楽しそうに話しながら、ギターをかき鳴らしているのです。
まったくギターに詳しくない私も、その面々の演奏の上手さと、皆の楽しそうな
表情で、とてもよい時間を過ごしました。ぱりっとした洗い立てのシャツみたいな
気持ちになりました。
いつまでもリックのお店が続き、リックのお店があるカーマインストリートが
いつまでも穏やかで、私の記憶の中のグリニッジヴィレッジの想い出が色褪せずに
深いところに留まっていますようにと、願わずにはいられません。