音楽の喜び フルートとともに

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ピアノの調律

2015-12-09 22:08:00 | 音楽

友達から3年前に譲り受けた年代物のアップライトピアノ。
私はうまく弾けませんが、アンサンブルや、伴奏合わせで素晴らしいピアニストが何人も弾いてくれています。
さすがに調律されていないピアノだと申し訳ないので、これだけは欠かせません。

今年は2ヶ月待ちで KピアノのNさんが来てくれました。
Kピアノで頼むと毎年違う人が来ます。今年は若いお兄さんでした。
スーツをきて、ネクタイ締めて、礼儀正しくやってきてくれました。

開けてみてくれたら、いきなり「湿気で、ここの穴がキュッと縮まって小さくなって、そのせいで、鍵盤の戻りが悪くなっています。全部ではないですが、これを広げると、鍵盤が軽くなりますが、中には固くて重めが好きな方もいらっしゃるので、どうされますか?」

これは意外でした、なぜなら弾く人、弾く人「鍵盤が軽い」と言うからです。それも決して褒め言葉ではないようです。私はあまり弾かないのでどっちでもいいのですが、「鍵盤が戻らなくなるかもしれない。」と聞いて、「お願いします。ピアノに合わせます」とお願いしました。
「442hzでいいですか?」「はい。」

鍵盤の少し上に、鍵盤が動かないように穴を開けて軸に一つずつ刺してあるのですが、その穴が縮んで軸との摩擦が大きくなりすぎているので、千枚どうしのようなもので、少し穴を広げる。という意味のようです。



それから、下の方の蓋を開いて、掃除機で埃を吸い取って、乾燥剤を入れてくれました。去年いれてもらった乾燥剤は水分を吸い取ってずっしりと重たくなっていました。


それから、重さに負けて全体に下がってきているので、キャプスタンボタンとその上にあるウィペンヒールの間が狭くなっているそうです。そうこの白い穴のあいた円柱形のものがキャプスタンボタン。


これが狭いと、ハンマーで叩いた振動を伝える緑の木の部分と、四角く見えている部分が同時に動かないといけないのに、見せてもらったら同時には動いていません。

キャプスタンボタンについている丸い穴に、細いドライバーを突っ込んで真ん中に来るように整えます。すると、



これが同時に動くんですね。

さて、「出来ましたので。見てください。」と声をかけられたので、たどたどしく弾いてみたら、だいぶ気持ちよくなっていましたが、高音のCがどうも低い気がします。
そのことを言ったら、早速叩いてみて「そうですね。もう一回やり直します。」と、また蓋を開けてやり直してくれました。
寒くなってきたので庭の花を片付けながら、聞いていたら、「あったな。」と思ったら,またやり直しで何回かやり直しています。
一音でそんなにかかるかな?と思っていたら、出来た後に説明してくれました。

「高音は1音に3本の弦が張ってあるのですが、その3本の内1本が唸るようになっていました。」
3本のうち、2本を鳴らないように止めて、鍵盤を叩くと、確かに1本は響きが唸っています。
「これが好きって人もいるんですが...。」私の顔を見て「直してみます。」と言ってくれました。
弦をコマに引っ掛けてあるのですが、この写真は高音なのでコマは、弦の下の方に3本ずつ小さな柱のようなものが見えると思うのですが、



低音の方が分かりやすいので下の写真の弦を張ってある一番下の柱から少し上にみえる小さなピック状のもの、これが駒です。
これは木でできていて、弦の振動を反響版に伝える役割があるのですが、弦の張りに負けて、一本だけ少し上にずれてしまい、緩んで音程が狂っているようなのです。それを少しハンマーで叩いて元に戻してくれたそうです。



さすが、楽器の女王ピアノはメカニックも壮大!
Nさん、説明をちゃんとしてくれるので、ピアノのこと少しわかったような気がしました。
さて、調律してもらう間、ジャマにならないように静かにしていると、音を出したい気持ちがムクムクとわきあがってきて、イーッとなるところを、心の中で、また収めてとしていたので、Nさんが帰るやいなや、早速ピアノのお稽古。

やっぱり調律してもらったら気持ちいい!
スッキリ。
2時間ぐらい、ピアノで遊んでしまいました。フルートが嫉妬するかも!
安心してください。フルートもまたそのあと吹きましたよ。