「雨月物語」は、ベニス映画祭で銀熊賞を受賞している。
実に綺麗な映像と、怪しい日本的風景。
戦乱時の琵琶湖。
陶工の儲けようという野心と、戦で出世しようという野望。
兄弟は、戦乱の中で、一度は夢を実現するが、浮世はそれほど甘くない。
兄は、戦乱で滅びた亡霊につかれて、ひと時の浮世離れに現を抜かすが、その時家族は?
一方、弟は、戦果を横取りして出世するが、嫁は戦士たちに回され落ちぶれていく。
京マチ子という、妖艶な美女を得て、あやしげな屋敷での狂宴は見事。
戦乱を逃れて船でいく琵琶湖の靄のかかった日本的風景は絶品。
なにしろ、当時は日本の映画職人は一品で、
それがこの映画に集結し、見事な作品を世に送り出した。