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NHK山田洋次が選んだ日本映画100選 黒沢明の「生きる」

2012-01-10 17:38:07 | 日本映画
こんな素晴らしい日本映画があったんだと改めて知らされる。

題名がずばり「生きる」、でもこれ死ぬ映画だよ。

葬式のシーンが延々。そして、主人公が本当に生きた姿を参列者の回想で浮き彫りに。見事な手法だ。

診察に行った医院で、待ち合わせた客から得た情報がぴたり、末期がんと理解する。この渡辺篤がすごい。

そこから始まる、まずは快楽の生活、でも酒や女で苦悩が解消されるわけもない。

そして、部下の女子職員との奇妙な交流、そこから、生きがいを見つけていく。

最後、有名なブランコシーン。

生きがいのない勤勉な勤務、生きがいだった息子は功利的に、役所のお偉方は保身に、ハンコオンリーのお役所仕事、縄張りによるたらいまわし。暴力団との癒着。頼りの兄弟は女しか頭にない。

まあ、世の中のしこりがわんさか出てきて、見ていて笑えるのか、くすぐられるのか、思い当たることが多すぎて、涙が出てくる。

孤独でありながら、生きがいを得て死んでいく男を、オーバーだと思われる演技でひきつける志村喬の名演技。

さすが、黒沢監督、脂ののった40代の快挙だ。

コメント (1)
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