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NHK山田洋次が選んだ日本映画百選  今井正監督「喜劇にっぽんのお婆ちゃん」

2012-12-24 15:27:46 | 日本映画
1962年作品。

喜劇と銘打っているが、シリアスドラマ。

老人がうんざりでてくる老人映画だ。

浅草のレコード屋で知り合った二人のお婆ちゃん。最初は生きのいいことを言っていたが、結局二人は、死すら考えていたのだ。

一方、その一人北林谷栄の演じるおばあちゃんは、老人ホームから家出していた。

その老人ホームでの日常が描かれ、二つの物語が巧みに絡まって、老人問題の深刻さを暴いていく。水木洋子シナリオ、今井正監督の社会派ドラマだ。

中で、芸達者の面々がそれぞれのエピソードを巧みに演じており、皮肉交じりの喜劇となっている。

この老人問題は今もさらに深刻になっているが、問題の本質をついて鋭い。

でも、北林と都蝶々のふたりのコンビは最高に面白く、彼女たちは、41歳と50歳という若年齢で老け役を見事に演じている。

喜劇というより社会派ドラマとして胸を打つ場面満載だ。
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