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「北朝鮮強制収容所に生まれて」、脱北者が語る強制収容所の実態!

2014-05-19 17:35:49 | ドイツ映画
おススメ度 ☆☆☆
 北朝鮮の闇を知りたい方 ☆☆☆☆

北朝鮮強制収容所で生を受け、脱北した申東赫(シン・ドンヒョク)さん。

彼は、韓国で暮らし、強制収容所の証言や、ボランティア活動を行っている。映画でも。アメリカで体験を話しているシーンが見られる。

自著「収容所に生まれた僕は愛を知らない」(李洋秀訳/KKベストセラーズ刊)、アメリカ人ジャーナリスト、ブレイン・ハーデンによる「北朝鮮14号管理所からの脱出」(園部哲訳/白水社刊)が出版されている。

本作は、ドイツ人監督が、本人に直接インタビューし、ほかにも、脱北した秘密警察の高官と収容所の幹部にも、インタビューしている。

そして、収容所での生活や処刑場面などをイラストで再現し、生々しく迫っている。

北朝鮮強制収容所は、思想的な重犯罪者が収容されているが、勤務態度のよいものにだけ許される表彰結婚により生を受けたシンさん。だが、一生収容所暮らしを運命づけられていた。


脱走の罪で処刑された母と兄の死を見ても、涙が出なかったという。思想教育の恐ろしさ。人権のない北朝鮮を象徴する出来事だ。

この実態を告白する、シン氏は、絞り出すように言葉を発し、時には休憩を要求し、これ以上は語れないとするなど、見ているものをイライラさせるが、監督は執拗に粘り強く、真相を語らせていく。

脱北よりも、収容所を脱走して、北朝鮮の民衆の生活にあこがれを持ったという証言は、まだ北朝鮮の救いが残っていることを示している。


一方で、収容所幹部の淡々とした処刑の告白に、人間の業が読み取れる。

更に、韓国社会の自殺者の多いことに触れ、韓国も決してパラダイスではないと語る。(韓国で生活するシン氏の目から見た韓国の映像が挟み込まれている)。

アムネスティが北朝鮮の人権について調査しているが、早く、正常に戻ってほしいものだ。

コメント (1)
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