ひろの映画見たまま

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「野のなななのか」、大林宣彦監督の死生観ファンタジー

2014-05-29 15:32:17 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆
  大林ワールド好き ☆☆☆☆

大林監督は最近、インディーズデジタルムービーを撮り、商業映画と一線を画している。

2年前、「この空の花 長岡花火物語」で長岡を舞台に映画化。今回は炭鉱の町北海道芦別市を舞台に描く。

古物商、元町医者鈴木光男を主人公に映画は巡る。

題名の「なななのか」は、仏事の七七日、すなわち四十九日のことである。

92歳で他界した鈴木光男。その葬儀に家族たちが集まってくる。といっても、妹以外は、孫やひ孫だ。

死ぬまで生活を共にしてきた次男の娘カンナが、最期をみとったこともあり、芦別市を案内する一種ご当地映画でもある。

随所に大林ワールドが展開され、普通の映画を期待した向きには、いささか戸惑いを覚える作りだ。ファンタジーと言うか、生と死の世界が同時に展開したりする。

ましてや、終戦後のソ連の侵攻とか、原爆投下は北海道も視野に入っていたとか、前の戦争のあまり知られざる事実が語られたり、反戦色が強いので戸惑うかも。

だが、途中から現れる元看護婦の登場で、光男の恋物語が展開されロマンチックでもある。

2時間51分の長尺ものだけに、人によって、長いと感じるか短いと感じるか?

いずれにせよ、78歳にして、長尺のファンタジーを撮れる大林のエネルギーは素晴らしい。

登場人物も多く、それぞれを、ベテラン俳優が演じて、舞台を盛り上げる。
コメント (1)
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