ひろの映画見たまま

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「今日子と修一の場合」、東日本大震災を題材に悲劇を背負った男女の物語

2014-05-21 19:01:09 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆

奥田瑛二が、娘夫婦を配役に、不幸を背負った男と女の物語を、震災を背景に描いた。

今日子と修一、それぞれの物語。接点は故郷が一緒なだけ。震災を契機に新しい生活がスタートできるのか。修一には、見たいが見えているが、今日子は、観客にゆだねられている。

どちらも、人殺しという重い過去を背負うのだが。

今日子は、保険外交員で食い扶持を稼ぐが、売り上げを上げるため男と寝なければならない。そんなにしても、子供を置いたまま放り出される。たどり着いた東京では、男に捕まり、売春をすることに。そこで震災が。そこから立ち直れるのか。

この何とも悲惨な状況を、奥田の娘安藤が演じあげ、ずるずると深みにはまる女の悲劇。

修一は、リストラされ、息子や嫁に八つ当たりする父親を殺してしまい受刑。刑期を終えて出てきたところで震災に会う。

身受け人の鉄工所で働くが、そこは訳ありの集まり、そこでもいじめが。

でもそこでの救いは、工員の一人がピアノを弾き、これが、映画全体を引き締めている。

修一は、頑張って大学に合格、未来は見えてきた。柄本が朴訥な青年を体現している。

修一と今日子は、故郷宮城県三陸町で、被災後の同じラーメン店でおいしそうにラーメンをすする。

だが二人は、見知らぬまま。

震災をモチーフにしたかっただろうが、特に震災である必要も感じられず、かえって冗長になってしまった。

やはり、2人の接点が何かあってほしかった。
コメント
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