おすすめ度 ☆☆☆★ (劇場鑑賞)
函館郊外の書店で働く“僕”と、一緒に暮らす失業中の静雄、“僕”の同僚である佐知子の3人は、夜通し酒を飲み、踊り、笑い合う。微妙なバランスの中で成り立つ彼らの幸福な日々は、いつも終わりの予感とともにあった。
「Playback」などの新鋭・三宅唱監督作品。
僕を柄本佑、静雄を染谷将太、佐知子を石橋靜河が演じ、絶妙のアンサンブルを見せてくれる。
最初、僕と佐知子は、セックスをするが、佐知子は、勤め先の書店の店長と不倫関係にある。
佐知子が、僕の部屋へ遊びに来るようになり、静雄とも仲良くなる。
三人で、夜、街に出かけ、歌い、踊り、ビリヤードをし、酒を飲む。
そして夜明けの街。
原作者の佐藤は、函館出身。原作は、東京を描いているが、函館に変更、現代の姿だ。
私自身も、酔っぱらって、深夜に繰り出し、青春を謳歌した経験があるが、まさにそれ。
そして、「面倒くせえ」と思っていた僕が、真剣に佐知子を恋するようになる、成長物語でもある。
そもそも、お金がないのに、飲み歩くかとも思うが、この何とも言えない雰囲気が、金をも吹き飛ばしてしまう。
まさにそんな青春を切り取った良作だ。