おすすめ度 ☆☆☆★
イタリアの名匠パオロ・ビルツィが監督。
ヴェネチア国際映画祭、トロント映画祭でも熱い称賛を浴びた、笑いと涙に溢れる最高のロードムービー!
舞台はアメリカ。認知症の夫と末期がん患者の夫婦が、おんぼろキャンピングカーで、アメリカ最南端のキーウェストを目指す。
夫を演じるのが、ドナルド・サザーランド。妻を演じるのがヘレン・ミレン。
絶妙コンビで、ロードムービーを演じ切る。
認知症の夫は、妻すら認知できない状態。だが、やり取りのうちに思い出す。
夜は、8ミリの映像を鑑賞、若かりし頃をしのぶ。
基本、認知症男の運転は許される訳もなく、途中警察に追われたり、妻を置き去りにしたり、ハラハラの連続。
妻は、ガン末期で、痛み止めの薬が欠かせない。そんな体での長旅は無理、当然途中で倒れることに。
夫が元国語教師で、愛するヘミングウェイの暮らした、キーウェストを目指す。
まあ、映画だから許される話ではあるが、ちょっと無謀。
でも、主演二人の微妙な駆け引きが映画を面白くしている。
お互い昔の浮気話を蒸し返して、男女の機微は難しい。
しみじみと人生を考えさせる良作だ。