おすすめ度 ☆☆☆☆★ (劇場鑑賞)
第54回百想芸術大賞 大賞、脚本賞、主演男優賞、助演男優賞の4賞受賞。
1987年、韓国で実際に起きた「6月民主抗争」を映画化。警察で調査中のとある学生が死亡するも、警察は隠蔽工作を続け…。皆が熱かった1987年の話。
まさに。韓国が、命を懸けて勝ち取った民主化。それをドラマ化した見事な作品。
前半は、尋問中に亡くなった学生の死因を隠ぺいする当局とこれを暴こうとする検事側の、まさに迫真のドラマ。ドキュメンタリータッチで淡々と描かれる。
後半は、刑務所の係官が、事件の実態を知り、それを外部に漏らす、まさにミステリアスサスペンス。
当時の状況を念入りに調査、当時とそっくりのセットを作り、迫真力を高めている。
配役陣も、役者がそろっており、まさに大作。
民衆の手で、直接選挙を勝ち取った民衆の勝利。
ただ、韓国でも、この詳細は知らされていなかったようだ。その意味でもこの映画の持つ意味は大きい。
ラスト、刑務所係官の姪が、恋人を亡くし、敢然と立ちあがる姿は、涙を誘う。
エンドロールで、当時の写真が流れ、ああこれってホントにあったんだなと納得。