おすすめ度 ☆☆☆ (劇場鑑賞)
ミステリアスな映画好き ☆☆☆☆
第77回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞。 黒沢清監督作品。
2020年6月にNHK BS8Kで放送された同名ドラマをスクリーンサイズや色調を新たにした劇場版として劇場公開。
一九四〇年。少しずつ、戦争の足音が日本に近づいてきた頃。聡子(蒼井優)は貿易会社を営む福原優作(高橋一生)とともに、神戸で瀟洒な洋館で暮らしていた。
物資を求めて、満州に出張した優作は、中国人を使った人体実験の事実を知ってしまう。
正義感の強い優作は、これを外国へ公表しようと考える。
聡子は、この事実を幼馴染の神戸憲兵分隊本部の分隊長・津森(東出)に告げる。
事実を海外へ公表しようとする夫、その夫についていこうと願う聡子。
なかなかサスペンスあふれる展開だが、地味といえば地味。
ラストの意外な展開になるほど。
NHKのバックがあるだけに、時代考証とか、撮影現場とか、かなり凝っている。
当時の上流階級の生活が垣間見れる。
だましだまされの展開の中で、夫を信じて行動する聡子。気がふれた擬態を演じる蒼井優。渾身の演技だ。
ひそかなる戦争批判映画。