ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「リアル 完全なる首長竜の日」、こん睡状態の恋人と意識疎通をするミステリー!

2013-12-13 19:21:14 | 日本映画
おススメ度 ☆☆
   ミステリーファン ☆☆☆

第9回「このミステリーがすごい!」大賞に輝いた、乾緑郎の小説の映画化。

監督は、ホラー映画の俊才黒沢清。

一年前、自殺未遂でこん睡状態になった漫画家。<センシング>と呼ばれる眠り続ける患者と意思疎通ができる手法を用い、彼女と接触する幼馴染の恋人。

映画全体が、この意識下の接触をテーマとしているため、不気味な死んだような人間がたくさん出てくる。黒沢監督特有のホラー感満載だ。

ただ、後半、ガラッと雰囲気が変わって、こちらは二人が幼いころ住んでいた僻地の島が舞台となり、タイトルの恐竜が出てくる。

ただ、陸上の廃屋にも恐竜は出てくるので、やはり意識下の物語だ。

全体に、人物が目が動かなかったり、この世の人ではないような描写なので全体にうつろな雰囲気だ。

意識下の世界なので、映画的といえば映画的だが、リアルの題名とは裏腹に現実感に乏しく、主人公二人の恋愛話としても、なかなか入り込めない。

ただ、交差する物語の展開は、どうなるかと興味をひきつけるものではある。

途中描いている漫画がかなりグロテスクで、それが実体としてあらわれてくるので、ドキッとさせられる。

佐藤健と綾瀬はるか二大俳優を使った贅沢な作りではあるのだが。





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「かぐや姫の物語」、竹取物語のジブリ版です

2013-12-12 18:25:00 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆☆
    ジブリ映画好き ☆☆☆☆☆

竹取物語をジブリが映画化した。かぐや姫の物語だ。

斬新なというか、古典的というか、日本画(墨絵)の技法を踏襲した和の極み。

その描写の素晴らしさ、それは、高畑監督もいうように、アニメ界の実力を結集した技術の素晴らしさだろう。

竹取物語が、これだけ奥深い物語とは理解していなかった。

この映画の描写が、断定的でないためか、いろんな解釈の余地がある。

例えば、宴席から疾風のように駆け抜け昔住んでいた里へ出かけるシーン。

幼馴染の捨丸と再会し、恋の逢瀬を楽しむシーン。

これらは、次のシーンから見るに、現実なのか、夢想なのか?それは観客にゆだねられる。

素晴らしい描写での躍動感、ちょっと他では体験できない代物だ。

例えば、かぐや姫が初潮を迎えた日、あからさまな表現はないが、大人になったお祝いだとの言葉がそれを示す。子供たちが見ても不自然のないような作り。

そこここに、描写の丁寧な作り。

そして映画独特の感情移入。

知らず知らずにかぐや姫に加担してしまう観客。

美しい絵の後ろに様々な仕掛けが。

竹取物語という、古典をこれだけ、奥深く描いた力量に感謝したい。

付け加えれば、音楽の勝利でもある。

ラスト流れる音楽になぜか感動の嵐が。

かぐや姫の罪と罰、コマーシャルで宣伝しておきながら直接的な答えはない。

原作にヒントがるというが、それも一説。
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ミャンマー バゴー

2013-12-11 19:35:48 | 日記
ミャンマーのメイン都市ヤンゴンから車で2時間半。

バゴーの街につく。

ここも、バゴダの多い街だ。

最初に訪れたのは、チャイゴンパゴダ。

ミャンマーの仏様は、明るい色だ。

青い空に映える。

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「47ROUNIN」、忠臣蔵をモチーフにしたファンタジー

2013-12-11 17:37:54 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆
    ファンタジー映画好き ☆☆☆☆

吉良家と浅野家の戦いを、中心に、主君が妖怪に騙され自害したのをきっかけに浪人となった47人が、吉良家に挑む復讐劇。忠臣蔵が泣くけど、アメリカの娯楽映画だからね。

ほぼ主体は、日本の俳優で固め、愛嬌にキアヌリーブスが加わるのが特異。

さらに、浅野家の側室が妖怪であり、もう一方の争いに加わる。菊地凛子が妖艶。

妖怪ゆえに、怪獣に化け、冒頭この怪獣とキアヌとのバトルで盛り上がる。

日本側では、吉良に浅野忠信、大石に真田広之、吉良の側室に菊地凛子、浅野の娘に柴咲コウ、字幕版ではすべて英語で話す。

中で、2回切腹シーンがあるが、外人はこれがお好みか?

でも、血は見せず、最後は画面から想像するより仕方ない。

しかし、47人を集めた意味合いが不明で、人物描写もない。

所詮、キアヌを含めたバトルシーンが見世物か。

衣装は戦国風だが、背景はいかにも中国風。

ま、国際的な映画だが、誤解されるのも困るね。

ファンタジーとして楽しむ分には、そこそこの出来だと思う。
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「殺人の告白」、時効が過ぎて名乗り出た殺人犯

2013-12-10 17:13:05 | 韓国映画
おススメ度 ☆☆☆

     韓国映画、アクション映画好き ☆☆☆☆

韓国にまた新しい監督が誕生した。

この映画は、観客を欺く仕掛けがいっぱい。

ちょっと、展開が分かり難い部分もあるが、アクションシーンの素晴らしさは、群を抜く。(ただちょっと長い)

冒頭、犯人と刑事が一体となって居酒屋へ飛び込むシーンから、女店主を人質に取り、その後は、逃げまくる犯人を追いかけ、逆に犯人に囚われ、ほほを斬られるまで、息もつかせぬテンポで進む。香港や韓国映画でよくあるシーンだが、何せ迫力はある。

映画の途中、犯人とのカーチェイスで、車の上に乗ってのアクションシーンは出色。車も何台壊されるか。

そしてラスト、再び追っかけとアクションシーン。

全体に暗いイメージで、更に手持ちカメラでの動きがあるのでややみずらい。

映画の宣伝では、イケメンの犯人が時効後、犯人を名乗り出て、手記を書き、ベストセラーになるという話がクローズアップされるが、話はもう少し複雑。

二転三転のラストに唖然。

それにしても、時効をここまで問題にするのは、韓国なりの事情があるのか?

殺人に対する憎悪は激しく、刑だけでは不足だと殺人に走る被害者集団。

イ・ドゥソク(自分が犯人だと名乗り出た男)に扮するパク・シフ/(15年前の連続殺人犯を逃がした刑事チェ・ヒョング)に扮するチョン・ジェヨン

二人の好演が映画を引き締めている。特にチョン・ジェヨンのいかれた刑事ぶりはすごい。

韓国では、連続殺人事件が有名。「殺意の追憶」でも取り上げられている。

日本では、「藁の楯」がちょっと似ているが、もっとドロドロしている。

ただ、今回、コメディタッチは控えめだ。

    
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「スタンリーの弁当箱」、弁当箱を巡る悲喜こもごも

2013-12-09 18:37:49 | 映画
おススメ度 ☆☆☆

インド映画だが、ボリウッド特有の歌や踊りがないこじんまりとした映画。(全然ないわけではない)


小学生スタンリーの弁当箱のを巡るお話。

実際に、学校でそれも、放課後、映画に出て出演料を稼いでいたという。

ドキュメント風タッチ。

当然子供たちが主役で、子供好きでないとちょっと辛い映画だ。

前半は、たんたんと、弁当を持ってこない人気者の学生を中心に、生徒や先生たちが描かれる。

後半、(ネタバレ)


































生徒の弁当を横取りして食べる先生がいて、弁当を持ってこないスタンリーを休学にしてしまう。

生徒たちは無言の抵抗を試みる。

スタンリーは、父と母が遠くへ行っていて弁当を作れないと弁解するが、お昼は一人寂しく、水道水で腹を膨らせている。

そんな彼、学校から締め出しを食っていた時、コンサートの練習にぶつかり、もともと音楽好きの彼の得意分野、コンサートに参加してしまう。

そして、叔父の好意で、叔父の働くレストランの残り物を弁当にし、いそいそと学校へ出かける。

ある意味ハッピーエンドだが、その原点は、ラストの字幕で語られる貧しいインドだ。

弁当が主題だけに、いろんな弁当が出てきて、楽しい。(もちろん、インド料理なので日本にはなじみはない)  注 私はインド人に知り合いがいて、家にお邪魔したことがあるので、まったくおいしいごちそうだった。

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「キャプテン・フィリップス」、海賊に捕まった船長の奮闘!

2013-12-08 17:19:48 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆☆

134分の大作。

殆どが船上での海賊とのやり取りなので、緊張の連続。

そしてラストの感動は、演技演出の総力が発揮されます。

この映画は、2009年のソマリア海域人質事件を描いたフィクションです。

だが、決してキャプテンフィリップスの英雄話ではなく、相手の海賊との丁々発止のそれこそ命を懸けての対決です。

当然アメリカ海軍の特殊部隊の活躍も同時並行して描かれます。

しかし、人命尊重ぎりぎりまでの攻防が続きます。

冒頭、キャプテンフィリップスの出勤前の妻とのやり取りから、ソマリアでは、親方から海賊で、大金を稼ぐことを要求される男たちが描かれます。

一応、彼らの立ち位置が明確で、それが、キャプテン一人と海賊4名の攻防に重みを与えます。

キャプテンは決して英雄ではありません。その見せ方が、トムハンクスの絶妙な演技です。見ているこちらが、ハラハラドキドキ、胸がパンクしそうです。

ドキュメントタッチでありながら、うまく映画にした見事な作品です。

前半の海賊の乗り込み場面も、船員たちの見事な演技で、迫真を呼びます。バックには、ソマリア海賊たちの必死の突入があります。

その前の、小型ボートが刻々近づくレーダーの映像にも釘付けです。

   
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「エゴイスト Egoist」、浮気相手に捕まり拷問される不思議な映画

2013-12-07 16:28:53 | 映画
おススメ度 ☆☆

劇場未公開 オーストラリア映画。

最愛の妻がいるのに浮気している男。

情事の最中に妻から電話があり、適当に答える優柔不断。

そして彼女に、指輪をプレゼント。

どっちが本命なのか?

そこで愛人が、人気のない倉庫に男を誘い、手足を枷に括り付け拷問。

指の爪を1本づつはがすシーンは痛い。

一方、妻も呼び出し、両手を鎖につないで釣り上げる。

足が地につかず痛い。

そんな状態で、男に情事について告白させ、うそ発見器にツナグ。

後半まで、ほとんどこの拷問のシーンで、

どうなるかとどきどき、見せてはくれるのだが。

まあ、それだけの話。
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ミャンマーのお土産 酸角片

2013-12-07 13:06:29 | 日記
ミヤンマーのお土産は「酸角片」。

これ、亜熱帯地方の常緑樹、タマリンドの実。

木になるサンド豆といったところか。

その豆をスライスし、酸っぱく味付けしたもの。

台湾の梅干に比せられるが、いやな味ではない。

私が買ったのは、市場、だから普段ミャンマー人が買うところ。

あとで、寺院の前でも売っていた。

値段は忘れたが、安いものだ。

ちなみに、タマリンドの写真




袋に入った酸角片



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「ハンナアーレント」、ナチスドイツのアイヒマン裁判の傍聴記を書いた女哲学者

2013-12-06 18:15:37 | 映画
おススメ度 ☆☆☆
    哲学的映画好き ☆☆☆☆

ナチスドイツでゲシュタポ・ユダヤ人課長として、ユダヤ人大量殺害の陣頭指揮を執ったアイヒマン。

彼が、第二次大戦後囚われ、イスラエルで裁判を受け、結局は死刑になった。

ハンナアーレントは、その裁判を傍聴し、「アイヒマンは、ただ、上の命令に従った公務員に過ぎなかった」とレポートしユダヤ人から非難を受けた。

アーレント自身、ドイツ系ユダヤ人で、フランス、のちにはアメリカへ亡命している。

アーレントは哲学者で、有名な哲学者ハイデッガーの弟子であり、恋人でもある。

そんな、ハンナ・アーレントが、アイヒマン裁判傍聴記を、ニューヨーカーに連載したことによる波紋を中心に描いた。歴史秘話。といってもこのことは世界的には有名。

ただ、これらの事実の背景を知らずに見るとちょっと戸惑うかも。

でも、物語は、夫をこよなく愛するアーレントと、自分の信念に忠実であろうとする真摯な態度に惹かれていく。

アイヒマン裁判のシーンは、実際の裁判の映像を使っており、その意味でもアイヒマンという人となりがうかがえて面白い。

結局、アーレントが、アイヒマン凡人説とユダヤ人の中にもゲシュタポに協力した人がいるという事実を書いたことで、当のユダヤ人たちから総スカンを食ったのだろう。

ラストには、大学でこの問題を講義するシーンがあり、かなりの説得力を持っている。

ドイツの女性監督が、あえて、この問題に取り組んだ意図は伝わってくる。



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