おすすめ度 ☆☆☆
動物好き ☆☆☆★
最近は、この手の作品は、2Dも吹き替え版で、字幕版は上映館が少なく、吹き換え版で鑑賞。
ディズニー映画
1894年に発表されたルドヤード・キプリングの小説の映画化。すでにアニメ化されているが、本作は実写版。
それも、主役のモーグリ以外は、すべてCGというから驚きだ。
今の技術をもってすれば、いろんな動物が作れてしまう。本映画でも沢山の動物が出てくる。
バッファローの大群の疾走、それに乗り逃げるモーグリー。このシーンは圧巻だ。
人間の子として生まれながら、動物に育てられたモーグリ。
黒豹のバギーラに助けられ、オオカミに育てられたモーグリ。
森の仲間と溶け合いながら育ってきたモーグリ。
いつしか、人間社会へ帰ることになるのか。
そんなとき、人間に復讐心を持つトラのシア・カーンが森に帰ってきたことから、人間社会へ帰るべく黒豹と旅に出る。
そんな旅の物語だ。
中で愉快なのは、蛇に催眠術を掛けられ食べられるところを救ってくれた熊のバルー。
この熊を西田敏行が吹き替え。
モーグリにたのんで崖の上のハチミツを取ってもらうのだが、なんともユーモラス。
アンコールワットっぽい、寺の画面は、お猿さんの登場。
って具合にいろんな動物と触れ合う旅は楽しい。
主役のモーグリはオーディションで選ばれたインド系アメリカ人ニールセディ。
一人でCGを相手の演技、大変だっただろうがなかなかのものだ。
子供はもちろん大人も楽しめる夏休み映画だ。
おすすめ度 ☆☆☆★
アメリカで大ヒットのスパイ映画なのに、なぜか日本では劇場スルー。
宣伝では、ジュード・ロウ、ジェイソンステイサムの名前がありながら。
でも、これ、メリッサ・マッカーシー主演の映画だ。ステイサムのアクションを期待すると肩透かし。
なんと背が低く、ふとっちょのおばさんがスパイ?
ところがどっこい、この映画、その弱点を逆手に取ったコミカルスパイ映画なのだ。
メリッサ・マッカーシー、なんとアクション派俳優でもあるのだ。
この映画の監督ポール・フェイグの期待作、「ゴーストバスターズ3」の主役の一人なのだ。
どこかで見たと思ったのがこの「ゴーストバスターズ3」の予告編だった。
もともとスパイの情報官として、内勤していたが、その相手が、殺されてしまい、顔を知られていないおばさんに白羽の矢が、おばさんももともとスパイをしたかったので渡りに船。
ただ、かっこよくないおばさんだけにあちこちで爆笑ネタが満載。
もちろんスパイ映画なので、007など有名スパイ映画のパロディもあり、結構アクションシーンも多い。
カーチェイスも見事にこなし。及第だ。
劇場スルーとは、まことに惜しい映画で、是非スパイ映画ファンはDVD鑑賞をお勧め。、
デンマーク映画
「未体験ゾーンの映画たち 2016」上映作品
第二次世界大戦、小国デンマークの悲劇。
ドイツが戦争をはじめ、小国デンマークを飛ばして西へ進行するものと思われていた。
ところが、ドイツは、北進をはじめデンマークを占領したのだ。
そんな、デンマークで、祖国を守ろうとした小部隊があった。
これはその戦争の記録である。
バイク部隊と自転車部隊。そんな、ささやかな部隊で、戦車部隊のドイツと戦う羽目に。
ただ、この映画を見ていると、市民たちは、案外あっさりとドイツ軍に降り、それほどパニクッている様子はない。
日本と違って、敵国と地続きの国では、あっという間の侵入だ。
しかし、部隊は軍隊。上司の命令第一。
連絡の取れないまま、思考する隊長たち。
ただ、この映画大作ではないが、武器などは、戦争時のものを再現して作ったというから、マニアには垂涎のものらしい。
自転車とか、軍服とか、小銃とか、それにドイツ軍の戦車とか。
戦争の悲哀が描かれた良作だ。
おすすめ度 ☆☆★
原作は、三部けいによる大ヒット、ミステリー漫画。
18年前にタイムワープするSFもの。
ピザ屋でアルバイトする売れない漫画家・悟、周囲で悪いことが起きる気配を察すると自動的にその数分前に戻り、事件や事故の原因を取り除くまで何度でも繰り返すという超常現象で、事故にあう少年を救う。
だが、自身は怪我をして入院。
介助に来ていた母親が何者かに刺され亡くなる。凶器の包丁を手にしたことから犯人と疑われてしまう。
そして突然、18年前にタイムスリップ。
そこには、連続少女殺人事件があった。
同級生の和代が、家庭内暴力にあっているのを助け、通報する。
この映画。意外とこの少年時代の事件に重きを置いている。
悟を、中川翼、和代を鈴木梨央が演じ、子役ながら光っている。
悟の母親を石田ゆり子が演じており、意外と若い。
原作を知らないで見ると、ちょっと強引な展開なので解かりづらいところがあり、きにかかる。
今を時めく、藤原竜也&有村架純の主演だけに楽しみたいところではあるが。
劇場未公開
南北戦争末期、南部に攻め込んだ北軍は暴徒化していた。
南部に住むオーガスタ一家。
父と兄は戦争に行って、妹と黒人の使用人(奴隷か)の3人暮らし。
妹が森で狸に襲われ怪我、薬を求めに街の店に行くと、北軍の元軍人で、本隊とはぐれていた。
オーガスタは、そこはなんとか脱出するが、軍人たちは家にやってくる。
3人の女性は家を守り抜けるか?
ここからは、一見サスペンス映画風だが、ちょっとテンポがのろい。
最後は、男装した3人の姿で幕。
戦争というシチュエーションを借りたホラー映画だが、ちょっと中途半端。
でも女性は強い。
おすすめ度 ☆☆☆★
PG12 ちょっとグロイシーンがあります。
ワンヒロイン、ワンシチュエーションのなかなかよくできた恐怖映画だ。
昔から、海では鮫がその怪物を背負っている。
スタイルの良い美人のナンシー(ブレイク・ライブリー)。
そして、メキシコのプライベートビーチっぽい海浜。
英語しか話せない、ちょっと異国的。
前半は、もっぱらサーフィンのシーンだが、おまけながらなかなかよくできたサーフシーンだ。
誰もいなくなった海で、突然サメに襲われ足に負傷する。
出血多量で、やっと、近くにいたクジラの死体にたどり着く。
医学生の特技を生かし、身の回りのもので応急手当。
そして浮かび上がった島に到着。
一方で、サーファーたちがサメに襲われるシーンが。
そこから鮫との一騎打ち。といっても心理作戦。
鮫の周回時間を計り、近くのブイへ移動。
そこで発煙筒をたいたり必死の抵抗を試みる。
クラゲが出てきて、刺されたり、小道具は次々と。
唯一の慰めは、怪我をしたカモメ。
鮫の描き方が実にうまい。途中突然現れた鮫は、ほとんど姿を見せず、打ち上げられた死体がそのすごさを物語っている。
そして、ブイでの死闘では、ブイを巧みに利用したお互いの攻撃にハラハラ。
まあ、最後はちょっとあっけないが。
劇場未公開 R+15
ドイツ・ベルギー合作
小説家・ウォルターは図書館で女子学生・アグネスに出会う。
いつしか、肉体関係に。
ウォルターは、アグネスの求めに応じ、その関係を小説に綴る。
現実と小説の世界が交差して。
やがて、死を意識するようになる。
官能は小説になるが、小説は官能にならない。
ベッドシーンは多いが、エロチックではない。
あくまで文学的。
おすすめ度 ☆☆
ポスターと予告編につられて、モンスターとのバトルを期待すると外れになるのでご用心。
モンスターが暴れている中東、モンスター攻撃のため犠牲となった武装勢力が抵抗を続けており、そこに派遣された部隊からの連絡が途絶えてしまった。
そこで、彼らの救出が目的で、派遣された部隊。
途中、執拗な攻撃に会い、次々と犠牲者がでる。
これは、モンスター相手ではなく、人間相手の闘いだ。
それも、一人また一人と味方が次々と殺されていく、悲劇だ。
もちろん、モンスターも出てくるが、あくまで主体は人間同士の争い。
モンスターが、相手のはずが、人間同士の争いに巻き込まれる非情理。
なかなかアイデアのあるモンスターが登場するが、(子モンスターが登場)、映画はそれが主体でないので中途半端な描かれ方。
むなしい戦に巻き込まれても、命令第一主義の軍隊の愚かしさ。悲壮感は出ている。
モンスターが活躍しないとネットの評判は散々だが、命令主義の軍隊のむなしさが出ている。
評判だった「モンスターズ 地球外生命体」の続編で、エドワーズ監督は製作総指揮に回っている。
なんともミステリアス。
真相は、なぜか徐々に明らかに。
そして同時並行的にラブロマンスが。
1年前に亡くなった母エヴェリンにそっくりなオペラ歌手がニューヨークにいることをネットで見つけた父親。執拗に尋ねることを強要する。
仕事と愛に息詰まっていた、ソフィ。父親が金を出してくれるとのことで、そのオペラ歌手カタリーナを尋ねる。
適当にあしらわれるが、カタリーナのマネージャとねんごろになったおかげで、再びカタリーナと接触。彼女の母であるローザを訪ねる。彼女は痴ほう症だが、エヴェリンを知っていた。
そして明かされる、父パウルと父の兄ラルフの確執。ラルフも母エヴェリンを愛していたというのだ。
舞台となるドイツとニューヨークの美しい風景、ドイツでは田園風景が、ニューヨークでは人工的な美しさが映画を引き立てる。
主役のソフィは、ジャズ歌手、ドイツではあまり好かれなかったが、ニューヨークでは受ける。その歌詞はこの映画のテーマを語っているかのよう。一方、カタリーナは、正統派オペラを歌い上げます。演じるスコバとリーマンは歌がうまい。
ミステリアスな展開に興味津々で最後まで見せてくれる。
ただ、父親は気の毒で妻の夢にうなされている。
「ハンナ・アーレント」のマルガレーテ・フォン・トロッタ監督がちょっと変わった味付けの作品を作った。
シリアに関心のある方 ☆☆☆★
アラブの春がシリアにも飛び火したが、アサド政権はゆるぎなく、弾圧を繰り返し、その後はISの登場で現地は戦火の波にさらされた。
そんなシリアの現状を憂えても現地を撮影にも行けず、ただ、ひたすら平和を望むだけだが。
そんな、シリアを憂う映画作家は、パリにいた、シリア人オサーマ。
自ら現地にいけない中、SNSというネットに日々投稿が繰り返されたシリアの現状。
丹念に拾い集めた映像は、数知れず、1001人というシンボリックな数字で表した。
そこには、被害者視点の生々しい鮮血の映像がこれでもかと繰り返される。幼い子供たちの悲劇は痛ましい。
監督は、更に一歩進んで、SNSの中から一人の女性を見出し、自らの目の代わりを依頼する。二人が交わすセリフの数々は、愛にすら昇華する。
監督の指示に従った映像は、廃墟の数々を映し出し、惨劇の痛ましさを訴えてくる。
日本では、大震災による原発の悲劇がテーマになりうるが、シリアは、人々の争いがテーマとなる。
平和を祈っても届かない世界に、一条の灯をつなぐ世界は、胸を撃たずにはいられない。