おすすめ度 ☆☆☆★ (劇場鑑賞)
暴力映画好き ☆☆☆☆
R15+
広島の架空都市・呉原を舞台に描き、「警察小説×『仁義なき戦い』」と評された柚月裕子の同名小説を映画化。
キャッチフレーズなどから、てっきり、やくざ同士の争いの映画かと思ったが、それももちろんあるが、「警察じゃけん、なにもしてええんじゃ」のセリフの裏に、正義ある度胸の刑事がいた。
その刑事と組まされた若い刑事が、はじめは反発しながら、その正義を知ったことから、自らの刑事道を歩み始める男の成長物語だ。
古参刑事大上を、役所広司が、新米刑事日岡を松坂桃季が熱演。
昭和63年、暴力団対策法成立直前の広島・呉原で地場の暴力団・尾谷組と新たに進出してきた広島の巨大組織・五十子会系の加古村組の抗争が勃発。
加古村組関連の金融会社社員が失踪する事件が起こり、大上が目を付けた場所から、拉致の現場写真を入手、解決に結びつける。
だが、二つの組の抗争は続き、大上のあっせんもむなしく、抗争はエスカレート。
白石和彌監督だけに、その暴力描写は、徹底しており、冒頭の豚小屋での暴行等、度肝を抜く勢い。
クラブのママを登場させ、お色気ものぞかせる。
やりたい放題に見える暴力刑事の、それなりの矜持は、徐々に明らかにされ、ラスト近くでは、涙を誘う。
最後は、うまくまとめているが、ちょっと出来過ぎの感あり。