おすすめ度 ☆☆☆★ (劇場鑑賞)
熊谷守一は、明治から昭和にかけて活躍した画家。主として風景画(裸婦像も)。
青木繁らと同世代だが、長生きしている。
76歳で脳卒中を患い、外に出なくなった。
晩年20年間は、30坪もない鬱蒼とした自宅の庭で過ごしたという。
本映画は、その晩年(94歳)の一日を、描いた作品。
実に動きのない、自然を愛する画家の晩年の姿。
だが、連れ添った妻とのやり取りの面白さ。仙人の域に達している。
物語を面白くするため、さまざまなエピソードを一日に収めている。
ドリフターズとか、宇宙とか、監督の趣味も入っている。
守一に山崎努、その妻を樹木希林が、枯れた夫婦を好演。
監督は、「横道世之介」の沖田修一。
虫とか、魚とか、爬虫類、草木とか、自然がクローズアップされている。
現在、その庭は壊され、熊谷守一美術館となっている。