土手一面のニリンソウにお目にかかろうと、自転車こいで行ってみると、
ああああーーっ!!!「おじさぁーん、そこの土手の草、刈ってしまったの!!!」
思わず叫んでしまいましたよ。お仕事中のおじさん、怒られてキョトンとしたお顔。
そうだよなあ、おじさんにとってはニリンソウなんてどうってことないもの。
「なんか、そこに大事なもん、あったかや。」大事なものがあったも何も。
あんなに見事なニリンソウがきれいに刈り取られているではないの。
「おれな、花に興味ないからなあ。そんなに美しいものがあったんだかや、どんな花ださ。」と可愛くおっしゃるから、まだ残っているニリンソウを教えてあげた。
で、おじさん、ついでとばかり、それはなんだや、これはなんだやと聞いてくる。
可愛げがあるおじさん、人懐こいおじさん。
「それはエンレイソウ、これはアマドコロ、それはエンゴサク。。。」
機嫌直してもう得意になって持っている知識を広げまくる。
「あんた、どこの人だや。こっちのもんか。」と聞かれた。
夷の海岸通りですが・・・続けてこちらにいる事情を話しする。
「そうか、大変だなあ、俺も母さんの時大変だったっちゃ。切ねえだった。」
とその時の話をしてくれた。誰でもそういう時があるがなあと慰めてくれる。
おじさんとはその後も、農業の話やら市議会議員の選挙の話やら両津町の寂れぐあいやらをつらつら話した。やさしいおじさん、いい人。
「去年もあん通り刈っても咲いたから大丈夫だが、来年も見に来いっチャ。あんたこっちに引き上げたらどうだや。」
そう言われてもなあ・・・
また寄せてもらうことにして、さよならをした。
追
お昼ご飯を食べてひと休みをしていたら、おじさんがデジカメケースをわざわざ持って来てくれました。私、どこで無くしたかと考え込んでいたところ。もう恐縮しきり。