「蛇が出なかった?」
今、山野草に会うべくあちらこちらに出没していると、地元の方にそう訊ねられる。
いやだよイヤダ、あいつらには会いたくないっつーの。
昨日の清々場所で。清々場所はあちらこちらが山野草スポット。
で、ここから後ろを振り向くいて、ドンデン山に歩くと ここ羽黒神社
去年はここで初めてエンレイソウにお目にかかり大感激したものだけど・・・
神社の鳥居を出ると、そこに清水を汲みに来ていた地元の方が
「蛇が出なかったか?」
ええーーっ、出るんですか?はや出るんですか?
「そりゃあどこでも出るが、新穂の方ではもう出たって聞いたよ。」だって。
しばらく蛇の話で、盛り上がるといおうか盛り下がるといおうか。
「マムシも青大将もヤマカガシもでるしな。いたずらセンニャあ大丈夫だっチャ。向こうからかかってくることはねえが。」
向こうからかかってくることはなくとも、お会いしたら足がすくむよねえ。しばらくの間は夢に出てきてうなされるというものだわ。いやだいやだ。
きゃあーー、とか大声出すと飛びかかるかしら。
「熊じゃあるまいしそりゃあ大丈夫だ!」と太鼓判押してくれるけれどねえ。もう来ません。ときっぱり言ったら、「朝早く涼しい時なら出えせんわさ。」と保証してくれた。
そういえばなあ、ニリンソウのおじさんも、
「そりゃあ、この辺も出るっチャ。よっぽど少のうなったけどな。」と言ってたわ。
マサチャンママも裏のおじさんお寺で花見をしたとき、開口一番
「蛇が出そうだなあ。」と言ったっけ。
昨日のオムツたたみで、老女Bさんが、
「あんたそりゃあ、拍子のもんだわ。おんなじ場所でも会う人は会うし、会わんもんは会わんチャ、なあ。」と仙人みたいに悟っておっしゃる。
父まで「気色のいいもんだねえな。」と言うし。しばらくは暖かい日はふらふらするのは止めとこう。
ハイキング途中の時の老婦人。「おれ、いれば歯だし、ようしゃべれんちゃ。」
と、仕事の手を休めて・・・
ヒトリシズカ