夫が聞いた。
そんなこと聞かれてもね。横浜はなんてったって自分の家なんだから。
どっちもそれぞれ良さがあるから困るじゃないの。
そりゃあ、横浜にいると横浜友以外夫しか話さないけど、佐渡じゃあ1歩外に出れば何やかやね。
「それがめんどくさくないか?」
夫は、父の通夜告別式関係のいろいろでよほどに感じたらしい。
私はほれ、なにしろ4年間の積み重ねがあるからね、どうってことない。しばらくするとすぐに忘れるからよけい。私らの世間なんてまだまだよ、と変な慰め方で宥めている。夫は、ま、いっかと思えない人だからなあ。
こんな風景を満喫できるんだからいいじゃないのよ、ね。
って、もともとは夫の方が、佐渡はいい、定年になったら夏の間は佐渡に住もうって言ってたのに。
私の方は、佐渡が好きじゃなくて都会に出たんだから、どうぞお一人で、なんて勧めていたのに。
今じゃ、夫は4,5日滞在するとそそくさと横浜に帰ってしまう。
私は、ハイキングの会があるからな、そこに参加してから帰ろうと算段している。
稲穂の育つ様を見ながら、そろそろかな、それとももっとかなと楽しみに待つのも一興。