佐渡に帰って来てからも、シラスパスタのことうだうだうだうだ思い患っている自分。もう少しましなこと思い悩め!ってどやされるわね。
でも、画竜点睛、そこだけがあの日のそういうことなのよ。
♪後悔と反省がお土産~ って。
(ボタンクサギ)
で、江戸の敵を佐渡で。
母の病院が国仲にあるから、そこからちょっとバスに乗って回るお寿司屋さんへ。時分時だから待つことしばし。
隅っこに案内されて。バス停からとぼとぼ歩いたから喉が渇いている。いいんだ、昼時でもいいんだ、誰も飲んでなくてもいいんだ。わたしゃのみたい。寿司とビール、全然OKだからさ。
てな具合で、冷えたやつをねいったわ。
鯵とかトビウオとか食べて、次は佐渡産鮑だなと頼んだ。
あのとろりと艶のあるのが、いかにもしこしこしていそうなやつがのっかっているのよ。おお旨そうだってパクリと口の中に入れたわ。ガブリと噛もうとした。
噛もうとしたけれど、無理無理、歯がたたない。慌ててシャリだけ飲み込んで、鮑はつるんとそのまま口の中から放出。誰も見てなかっただろうな、と苦笑い。
いやあー固いのなんの。磯の香りだけ口に残ってさ。
放出した鮑は、単独でおもむろに少しずつ噛み切ったわ。こりこりっとした触感を楽しみながら、やっぱりこの海の味は格別なんてひとり悦にいったりして。
さて次にって。
烏賊はあまり寿司では食べないけれど、スミイカが回って来たから、スミイカなら挑戦すっか、とその気になってね、またもや口に放り込んだ。はいはい。
あちゃあー、これも口から放出するまではいかないけれど噛みきれない。よくよく噛みしめたね。うかつに飲み込んだら窒息死すると困るからさ。
寿司をいつまでも口の中で咀嚼しているなんて洒落にもならない。ねっとりと甘くておいしいのにほんと惜しい。
やっぱ、スミイカも刺身で食べることにしよう、と固く心に誓った次第。
それにしても・・・と考える。
固くて食べるのに往生するなんて。
ああ、こうやって食べられるものがだんだん少なくなっていくのね。
今でも十分年を取っているのにこれからはもっとそうなるのね、と思ったら急に淋しくなった。
やっぱ、今のうちに食べられるものは食べとこ。
江戸の敵を佐渡でって、打ち取れたかしら・・・