『昨夜のカレー、明日のパン』 第4話 幽霊と△
そうよ、そうでなきゃあこのドラマ。
3話がやけにセリフ多く、どこか人生訓くさくて。
いくら格言類が好きな私としても、おいおい、の感がしきりで違和感多し、だったのが。
いやあ4話、よかったわ。ちょっと胸詰まる場面も多くて。
なんといっても行間ていうのか余白というのか、観ているこちらに
「どうぞご自由に感じて」とほおり投げてくれているのが心地よくて。
おかげで好きに感情移入できるもんね。
4話はギフの亡き妻夕子さんの法事での出来事。
法事の会食料理の魚をさばくのに呼ばれたテツコさんの同僚岩井さん(溝端淳平君ね)だけが、
夕子さんの幽霊とテツコの夫一樹君の姿が見える。
会食も終わりみんな帰って、縁側でひとりウイスキー飲みながら
♪夢でもし逢えたら~(鹿賀さんの歌声が素敵なのよ)と歌っているギフの肩にもたれて
幽霊の夕子さんが一緒に歌ってる姿が見えるわけ。
「おれもあんなふうになりたいなと思って」って。
で、今度は台所で洗い物をしているテツコさんの背中をそっと抱きしめている一樹さんを見てしまうわけ。
切ないね、岩井くん。
縁側に行くとウイスキーを飲んでいるギフが、
「先に死んじゃうなんてずるいよなあ」「ずるいですよ」
見てたような言葉言っちゃう。
でもでもどうせ負けると自棄になってる岩井さん、一樹さんに言われたじゃない。
「そっちの方が有利」「生きてる!」
そうだよ、何が有利か分からないけれど、生きてることは素晴らしい。
溝端君、岩井さんに入り込んだ微妙な表情するのね、なかなかの役者さんなのね。感心したわ。
今まで一度も見たことない鹿賀丈史さんも力が抜けていてすごくいいの。
このドラマの男優陣、ひょうひょうとしていてとってもいい。
夕子さんの妹役片桐はいりさんが、幽霊の姉にバックを隠されて、
「お姉ちゃんいるんでしょ、帰るからね、また来るからね」と声かけるの。
その声が子供時代の声のようでちょっと泣きたい気分になった、切なかったわ。
あっ、ちなみにギフの名前判明。
寺田連太郎さん。
最初の寺山家の玄関アップで、ほら実家もそうなのだけれど、ブリキに書いたような苗字と家族全員の
名前を並べて描ける表札。あそこに書いてあった。
それから、はいりさんがギフに「連太郎さん」と呼びかけていたものね。
観終わった後しみじみしっとり。温かい気持ちになれた。