阿寒湖、摩周湖は秋に観るには淋しすぎる。
琵琶湖は広すぎて茫洋としてつかみどころがない。
十和田湖、猪苗代湖、榛名湖は確たる印象がなく。
佐渡の加茂湖に至っては日常生活の範囲でお馴染み過ぎる。
そんなこんなで湖は好きでも嫌いでもなく、特に熱心に見たい、とは思ったことがなかった。
それゆえ、なんの下調べもせず、ただ足立美術館と松江城と松江イングリッシュガーデンにのみ訪れる計画、それでいっか、なんて。
ところがところが。
松江から玉造温泉への山陰線車中から宍道湖眺めた途端、「いやあ宍道湖いいわあ」の感情湧き上がる。
なだらかな山々に囲まれて、温かみのある光景。何とも形容しがたい懐かしさがひたひたと。
せっかくだからもっと松江の街を散策しようよ、という二人にランチだけは宍道湖傍のレストランに行ってくれと
頼み込む始末。
なんだ、結局自分の要求を無理やり押し通す、年上友のことは言えないね。
そんなわけで、それぞれの場所から見た宍道湖の顔。
山陰線車中から。
夕日が有名だなんてつゆ知らず、もったいない。
ずっと見てたら玉造駅に降りた途端くらくらっと。
松江城天守閣から。
城下町はどこでも落ち着いていて好き。
松江イングリッシュガーデンから。
噴水の向うに切り取ったように宍道湖が見えて。絵画のようでした。