本日も佐渡での話。
例によって薬局で世間話に興じていたら「頭の白いもんが見えるな」とワタナベサンが入ってきた。
見れば白魚の入った入れ物を手にしている。あらあ珍しい。あれこれあれこれ話していて会話は弾む。
「おめ、いつまで居る」と聞かれた。「うん、月曜日には帰るわ」と。
もちろんワタナベサンは人生の大先輩、80代。
私が父との佐渡生活を送るようになって、薬局に入り浸るようになってからそこで知り合った。
口が悪いワタナベサンには、それはそれはくそみそに叱られた。
が、不思議と気にならず、帰れば与太口たたき合うお付き合いさせていただいている。
もう12年になるかしら、まことに楽しい。
で、土曜日、相川から帰ってみれば、玄関の上がり框に白魚と立派な葱が2本置いてあった。
まだ生きてぴちぴち動いているたっぷりの白魚。この時期の白魚取りが趣味とはいえ寒いのに・・・
葱なんてないに決まっていると見越しての心遣い。
こういうところが素晴らしく、いつも見習わねばと思うのよ。
その日の昼食。
白魚のおすましは出汁がよく出て美味しかったし、少し甘めの巻きずしも具が豊富で好みだったわ。ありがとう。
巻き寿司は、朝、土曜市で店番をしていた従弟のお嫁さんが「食べて」と買い物袋に押し込んだ。
このお嫁さんとは、顔は知っていたし会えば挨拶くらいはしていたが、それ以上の付き合いは全くなかった。
それがいつの間にか「花、見に行こうか」と誘ってくれるようになって。この日も私が帰る日を聞いて、
「そんなら今日1時に迎えに行くし、杉池の方でも行くか」と急に決まった。その行動力にびっくりするやら嬉しいやら。
で、もらい物の昼食を済ませてバタバタしていたらもう1時、5分もたたないうちにカネコサンと一緒に迎えに来た。
杉池。誰もいません、目立った山野草もありません。あまりにひっそりしていて怖いくらい。
あれ?この時期に*水芭蕉 言っちゃあ悪いが美しくない。
山の中を走っての帰り道。
写真では見えないが、下の方海の向こうに新潟の弥彦山が見えていた。
白く光っているのが金北山
両津湾 大佐渡山々 雪がちらつく寒い日だったが海の色が何とも形容しがたくきれいだった。
彼岸の墓参りだけなら中日に来てすぐに帰るだろうが、このような心遣いのお付き合いが嬉しくてありがたくて、
佐渡に帰る楽しみを膨らませてくれている。ただただ感謝しかない。