重い栗や食料を抱えて、わざわざ六本木の森美術館に立ち寄ったのは「塩田千春」展を観たかったから。
勢いがなければ絶対観ないだろう分野の展覧会だから。第一に作家のお名前すら知らない。
情報源はTV「ぶらぶら美術、博物館」。それを観ながら「なんだなんだあれは」と興味がわいたのよ。
ベルリンを拠点にグローバルな活躍をする塩田千春は、記憶、不安、夢、沈黙など、かたちの無いものを表現したパフォーマンスやインスタレーションで知られています。個人的な体験を出発点にしながらも、その作品はアイデンティティ、境界、存在といった普遍的な概念を問うことで世界の幅広い人々を惹きつけてきました。ーホームページからー
ん?インスタレーションって?
一言でいうと、展示空間を含めて全体を作品とし、見ている観客がその「場」にいて体験できる芸術作品のこと、だそう。
会場入り口でまず驚かされる。エスカレーターの天井から白い糸が何本もぶら下がって舟を形作っている。
《どこへ向かって》
そして一番目の展示場 真っ赤な糸が部屋全体に張り巡らされて
《不確かな旅》(2016 / 2019) 中にいると妙に不安になる
次は黒い糸の部屋 置いてある椅子やピアノは焼け焦げている
赤の部屋よりさらにぞわぞわとしてくる
《時空の反射》(2018) 《内と外》(2008 / 2019)
≪集積-目的地を求めて≫(2014/2019) 何個かのスーツケースはゆらゆら揺れていて当てのなさを感じる
≪小さな記憶をつなげて≫ 2019 塩田さんはなぜこうなんでもかんでも糸でつなげたがるのだろうと 不思議
副題の「魂がふるえる」には、言葉にならない感情によって震えている心の動きを、他者にも伝えたいという思いが込められている。本展では、「不在のなかの存在」を一貫して追求してきた塩田が問いかける、生きることの意味や人生の旅路、魂の機微を実感することができるだろう。ーホームページからー
それなりに面白く終始ざわつくものを感じていたけれど、
現代アートに「いいなあ」と魅力を感じる感性は、私には備わっていないことをつくづく実感したわ。