Maria Callas Diary

着物・ドール・お料理・お家・家族など、日々のことを日記として書いています。

イタリア料理教室【プライベートレッスン編・第4回】

2014-04-27 23:25:22 | イタリア料理
今日は娘を連れて、イタリア料理教室へ行ってきました。いつもは他の生徒さん
たちとご一緒ですが、今日はプライベートレッスンなので、娘と2人です

前回同様フィッシャープライスのレインフォレストのジムを持っていきました。
最近はおんぶがお気に入りなので、エルゴベビーキャリアも持っていき、おんぶ
しながらお料理をしました。


プライベートレッスンなので4品まで教えて頂けるのですが、今日はどのお料理も
普通のレッスンでは習わないようなものをお願いしました。前菜・パスタ・魚の
メイン・肉のメインの4品です

いつも通りメニューの内容や調理手順の説明をお伺いしてから、調理スタート


まずは煮込みに時間のかかる肉のメイン料理から始めていきます。メイン料理は
「Gulash triestino」。もともとはハンガリーが発祥のお料理で、オーストリア・
ドイツなどでも食べられる、ハンガリー版ビーフシチュー。

これをトリエステ風にしたのが今日のお料理です。トリエステとは、フリウリ・
ヴェネツィア・ジュリア州の州都で、アドリア海に面し、すぐ隣はスロベニアと
いう、東欧との国境の街でもあります


歴史的にはオーストリア領だった期間が長く、そのため異国風な料理が多いのが
この街の特徴です。今日のお料理にはパプリカパウダーとキャラウェイを使うの
ですが、キャラウェイがお料理に入るのはイタリアでは珍しいそうです。


フライパンにオリーブオイルとバターをひき、みじん切りにした玉ねぎを弱火で
じっくり炒めていきます。



今日は牛すね肉を使いますが、牛モモ肉で作っても美味しいそうです。スネ肉の
ゼラチンっぽい感じがお好きな方は、是非スネ肉で。お肉は両面に塩コショウを
して小麦粉をつけ、中火でしっかりと火を入れていきます。


焼きあがったお肉は炒めた玉ねぎと一緒にお鍋に入れ、フライパンに赤ワインを
入れてアルコールを飛ばし、それもお鍋に移します。


そこにトマトペースト・ブロード(イタリアンの出汁)を入れて煮立たせたら、
パプリカパウダー・キャラウェイ・ローズマリー・ローリエ・塩コショウを加え
落し蓋と蓋をして、弱火で2~3時間煮込んでいきます


一番時間のかかるものを最初に作ったので、それを煮込んでいる時間で他の3品を
作っていきます。まずはこちらも寝かせる時間が必要なパスタ生地から。

今日のパスタは「Gnocchetti sardi ragu di pollo」。サルディーニャ島の伝統的な
パスタで、ジャガイモではなくセモリナ粉で作ったニョッキ状のニョケッティを
鶏肉のトマトソースと合わせます。パスタで鶏肉を使うのは珍しいのだとか


ボウルにセモリナ粉・ぬるま湯・塩を入れて混ぜ、ひとまとまりになったら台の
上で表面が滑らかになるまで捏ねていきます。

今回はセモリナ粉だけで作るパスタで、パスタの配合には様々ありますが、南の
ほうに行けばいくほど、セモリナ粉の割合が増えた硬めの生地になるそうです。
これは卵が入っていないので、寝かせる時間は少なめで1時間ほどでOK


生地を寝かせるあいだに前菜の準備をします。前菜は「Carpaccio di manzo」。
つい先日お魚のカルパッチョを習いましたが、こちらはイタリアでは主流である
お肉のカルパッチョ。今日はHarry’s Bar仕様でお願いしました

以前にも記事に書きましたが、カルパッチョはヴェネツィアにあるHarry’s Barで
生まれたお料理です。医者から加熱した肉料理を禁じられた店の常連客のために
オーナーシェフのジュゼッペ・チプリアーニ氏が考案したもの。

ちょうどそのころにヴェネツィアで開催されていたヴィットーレ・カルパッチョ
生誕500年回顧展に因み、彼の絵の特徴である赤と白の対比を、牛肉とソースで
表現して、その名前を付けたのだそうです。

ですから、カルパッチョは基本的にお肉料理。お魚のカルパッチョは近年日本で
生まれたものです。白身魚を使うともう名前の由来である赤と白にすらもなって
いないのですが、そういうお料理は世界中にたくさんあるのでしょうね



Harry’s Barでは、完全な生の牛薄切り肉を使っていましたが、日本では生食用の
お肉は一般向けにはほとんど売られていないのでタタキにして使います。何年か
前に焼肉店で悲しい出来事があったからでしょうか。牛肉に塩コショウをして、
オリーブオイルを敷いたフライパンで全面を軽く焼いてタタキにします。



しっかり冷めてから牛肉を薄切りにし、ラップで挟んだら肉叩きで叩いて伸ばし
ます。本来生の牛肉を薄く切るには、一度冷凍してから薄くスライスしてお皿に
盛っておくと、1分間くらいで解凍されるのだそうですが、今回は火を入れて使う
ので、どうしても厚めになってしまうため、肉叩きを使っています。


なるべく重ならないようにお皿に並べておきます。こうしておくと空気に触れて
酸化する関係で、お肉の色が徐々に赤くなっていくのだそうです。もう暑い時期
ですから、乾燥しないように注意して、冷蔵庫の中で赤くしていきます。


続いてはソースの準備をしていきます。今日はHarry’s Bar仕様ということで、
ソースもそれに合わせてもらいました。ボウルにマヨネーズ・レモン汁・牛乳を
入れて混ぜ合わせ、塩コショウで味を調えて絞り袋に入れておきます。

Harry's Barでは、さらにウスターソースを少量混ぜるのだそうですが、日本での
ウスターソースとイタリアでのウスターソースは全く別物なので、なかなか用意
できないだろうということで、今日はウスターソースは抜いています。

お肉とソースの準備ができたので、こちらはあとは盛り付けるだけで完成



お肉のメイン料理の付け合せにする、ポレンタを作っていきます。ポレンタとは
粗挽きのとうもろこしの粉をつかったマッシュポテトのとうもろこし版のような
もので、お肉料理の付け合せにしたり、冷やし固めてから焼いて食べます。

作り方はとても簡単で、お鍋に水・オリーブオイル・塩を入れて沸騰させたら、
そこにポレンタ用のとうもろこしの粉を振りいれ、かき混ぜながら30分ほど煮て
いけば出来上がりです




次はパスタソースを作ります。玉ねぎとニンニクはみじん切りにしておきます。
フライパンにオリーブオイルをしき、ニンニクと玉ねぎを弱火でじっくり炒め、
そこに一口大に切った鶏肉を加えて炒めます。



白ワインを入れてアルコールを飛ばし、トマト缶・水・ちぎったバジルの葉
入れて少しだけ煮詰めます。これでパスタソースは完成です


最後にお魚のメイン料理の準備をしていきます。「Pesce fresco alla carlina」
というお料理なのですが、実はこちらもHarry’s Barに由来するもの。

こちらのオーナーであるジュゼッペ・チプリアーニ氏はカルパッチョやベリーニ
などを考案した有名な方ですが、そのお嬢様が考案されたお料理で彼女の名前を
とってカルリーナ風と名づけられています



イタリアは舌平目やマトウダイなどを使うようですが、今日は真鯛を使います。
一口大に切った鯛に塩コショウをして小麦粉をまぶして、フライパンにバターと
オリーブオイルを入れて熱し、表面がきつね色になるまでじっくり焼きます。


付け合せの野菜は塩ゆでしておきます。どんなお野菜でも良いのですが、彩りが
豊かなほうが綺麗なので、魚の黄色を引き立てる緑のオクラと赤のパプリカを


鯛と野菜を耐熱皿に盛りケッパー・トマト缶・みじん切りのイタリアンパセリを
全体に散らしたら準備完了。あとは食べる直前に仕上げをします。


寝かせていたパスタ生地を形成していきます。今日はパスタマシーンではなく、
こちらのリーガニョッキという道具を使います。この道具があると、ニョッキが
驚くほど早く作れるので、私もひとつ欲しいと考えているところです





生地を適当にカットし、直径1cmほどの細長い棒状に伸ばします。それをさらに
1.5cmほどの幅にカットして、リーガニョッキに押し付けてから転がすようにして
形成すれば、ニョケッティの完成です



完成したニョケッティは3~4分ほど茹でて、先ほど作ったソースと良く絡めて、
塩コショウで味を調えオリーブオイルで乳化させたら出来上がり。

4品すべて出来上がったところで、早速試食タイムに


前菜は牛タタキ肉のカルパッチョ。完全生の牛肉を使うことができなかったので
少しアレンジしたものになりましたが、基本的にHarry’s Bar仕様になっていて、
とても美味しかったです


パスタはニョケッティ・サルディ、若鶏のトマトソース。もちもち、というより
しっかりとした食感のセモリナ粉100%のニョケッティは、シンプルなトマト系の
ソースと良く合っていて、パスタが伸びてしまうこともないので、おもてなしに
良さそうだな、と思いました


お魚のメイン料理は食べる直前にひと手間加えます。耐熱皿に盛り付けておいた
鯛や野菜の上に、フライパンで泡立つまで熱した焦がしバターをかけていくと、
シュワシュワーっと音がして、バターの良い香りが広がります


そうして出来上がったのが、白身魚のカルリーナ風。淡泊な白身魚をこってりと
美味しく食べるためのメニューです。バターの風味と白身魚の甘みが良く合い、
ケッパーの程よい酸味も効いている、美味しい一皿でした


お肉のメインはグーラシュ・トリエステ風。時間をかけてじ~っくりと煮込んだ
お肉はとっても柔らかくて、ソースには玉ねぎの旨味が凝縮されていて、本当に
美味しいお料理でびっくりしました

キャラウェイが効いているのですが、それがなんともこのお料理に合っていて、
普通のイタリア料理とは少し違うのですが、お気に入りのお料理になりました


食後にはコーヒーを淹れて頂いてホッと一息。娘はおんぶをしながら料理をして
いたらいつの間にか眠ってしまっていたりと、良い子で過ごしてくれたおかげで
順調に作業が進みました

娘の預け先を気にせずにこうして好きなメニューを教えて頂ける時間は、本当に
貴重なリフレッシュタイムです。いつも娘の同席を快諾して下さる先生に、感謝
感謝です。今日もありがとうございました