株に出会う

独自開発のテクニカル指標で株式市場の先行きを読む!

日経の住宅価格に関する記事はミスリーディング

2008-07-30 08:44:33 | 株に出会う
今日の日経朝刊のアメリカの住宅価格に関する「過去最大の下げ」との記事は、いささかミスリーディングではないでしょうか。

確かに、前年同月比では16%(20都市ベース)から17%(10都市ベース)は下落しております。しかし、今市場で問題にしているのは、住宅価格がいつ下げ止まるのかということです。

分かりやすく言うと、飽食の結果体重が100キロにまで達した人が、ようやく1年かかって80キロまで落としたところ、前年同月比で2割も落ちたと見るのか、それとも、月々の体重の変化が、最初はダイエット効果で大きく、最近の数ヶ月は小さくなっているのを見て、減量にもようやく限界が見えてきたと見るのか、果たして、下げ止まりという観点からはどちらが良いのでしょうか?

筆者なら後者で見ます。

ちなみに、全米20都市のケース・シラー住宅価格指数の、ここ1年の下落ペースを見てみます。癪ですから、全く。( )内は前月比の下落幅。

2007年5月 200.12ポイント
2007年6月 199.44ポイント(0.68ポイント下落)
2007年7月 198.71ポイント(0.73ポイント下落)
2007年8月 197.36ポイント(1.35ポイント下落)
2007年9月 195.68ポイント(1.68ポイント下落)
2007年10月192.98ポイント(2.70ポイント下落)
2007年11月188.99ポイント(3.99ポイント下落)
2007年12月185.04ポイント(3.95ポイント下落)
2008年1月 180.75ポイント(4.29ポイント下落)
2008年2月 176.00ポイント(4.75ポイント下落)
2008年3月 172.20ポイント(3.80ポイント下落)
2008年4月 170.00ポイント(2.20ポイント下落)
2008年5月 168.54ポイント(1.46ポイント下落)

ここ3ヶ月は下落幅が徐々に減ってきております。ダイエットも段々と終盤に近づくと、たったの1キロを減らすのに苦労します。これと同じ現象が住宅価格に現れているのに、これを全く無視しているのが、今日の日経の記事です。上記の数字からは、この3月に株式市場が激震に見舞われたのも頷けます。

読者は、日経の記事をそのまま受け止めて、まだ住宅価格の下落が最大値を更新しているため、まだまだアメリカの金融危機はこれからもっとひどくなると思い込むと言うものです。

別に、筆者はアメリカの回し者でも何でもありません。できるだけ正しい事実を掴みたいだけです。それを意図的かどうか知りませんが、歪曲する輩に対しては、相手が巨大なメディアだけに、このように憤りを感じるだけです。(単なる義憤か??)

注意すべきは、このようにデータというのは、当事者に都合の良いように幾らでも加工できると言うことです。

そりゃ、見る確度から見れば、目の細いお多福顔の女性だって、まさかの観音様に見えることもあるでしょう。しかし夕暮れ時に別の角度から見ればまさかの鬼婆顔に見えることもあります。

だからこそ、たかがデータとはいえ、多面的に見ないと物事を見誤ることもあるという好例かと思う次第。
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少々風向きが変わりつつあるのか?

2008-07-30 05:51:59 | 株に出会う
NYダウは+266ドルと大幅に反転しました。昨日はテクニカルには押されすぎだったので、リバウンドの動きはあるとは見ておりましたが、ケース・シラー住宅価格指数は若干予想よりも良かった(16%→15.78%の下落)のはともあれ、コンファレンスボード消費者信頼感指数というのが、予想の50.1に対して51.9と「意表を突く」上げだったのが効いたようです。原油の続落も後押し。

どうも、このところ風向きが少しずつ変わってきているようです。それは、以下の大きな流れからの話です。

★欧州経済がリセッション:イギリス、スペインに加えて、これまで好調のドイツも軟調に。

 ドイツは住宅バブルは抱えておりませんが、イギリス、スペイン、アイルランドなどは、アメリカと同等かそれ以上の住宅バブルが崩壊中。欧州の銀行にとっては、アメリカのサブプライムに加えて、欧州のこうしたバブル崩壊の痛手がダブルパンチとなっております。更に、インフレもアメリカに劣らず進行中です。特に、欧州の場合は賃上げ圧力がアメリカよりも大きく、インフレがスパイラル的に進行する率が高い。これがECBが先日、あえて、経済が弱体化しつつあるなか、利上げに踏み切った最大の理由かと。

★原油価格:様々な理由から調整を余儀なくされている。

 原油は調子に乗って上げすぎました。世界各国で反乱が起こって死者が出るようでは、由緒ある年金基金もさすがに一時手を引かざるを得ません。それがヘッジファンドの持ち高解消売りに繋がっております。テクニカルにも底割れ。やはり110ドル前後までは一旦持って行かれるでしょう。産油国もこの程度の調整はむしろ歓迎かと。

もっとも、100ドル割れを起こしそうになると、アラブの産油国の王侯貴族の放蕩三昧に水を差されて、アメリカへの資金流入に支障をきたしては元も子もないので、イスラエルかイランに一発ミサイルでもぶち込ませてでも、原油価格を守るつもりでしょう。(このインフレと食糧危機を起こした本当の悪人は一体誰なのか?)

★住宅問題:ある種の峠を越えつつある。

住宅問題の解決に向け、1つ注目する動きがありました。それは、これまでの住宅の証券化商品は、リスクを転嫁し、販売した住宅金融会社は回収リスクを負わない都合の良い仕組みでしたが、新しくカバードボンド(担保付き債券)と呼ばれる仕組みが出来そうなのです。これは、発行体である金融機関が担保となっているローンを確実に回収し、投資家への元利払いに努める義務を負うというものです。しかも、このカバードボンドをFRBも貸し出しの担保として受け入れるようです。これまでの野放図な証券化商品と、旧来の金融機関による直接融資とをいいとこ取りでミックスしたような位置付けですね。(この雑種は筆者が毎日散歩に連れ出す、隣家の雑種犬と同様に意外と強いかも。。)これがプラシーボ(偽薬)効果でも何でもよいから、特効薬として効き始める可能性が1つ。

もう1つは、住宅価格の傾向を詳細に見ると、調査対象の20都市のうち、最新の5月度を見ると7都市で下落が止まったようです。デンバー、アトランタ、ボストン、ミネアポリス、シャーロット、ポートランド、ダラスの7都市です。4月も8都市ありました。3月はたったの2都市(ダラス、シャーロット)だったのに比べると、ここ2ヶ月は明るい兆しが出ております。

◇こうした背景に持ってきて、アメリカの消費者のマインドが落ちていない証拠を突きつけられれば、これは資金を原油などから株式へと移動する動きになっているのが、今の状況かと思います。(もっとも、この消費者信頼感指数というデータの信頼感は今ひとつよく分かりませんが。)

◇こうして見てみると、住宅バブル崩壊がアメリカとは周回遅れで続いており、インフレの増長も心配される欧州と比べると、アメリカの住宅価格下落の沈静化傾向やら、消費者信頼感指数の上昇、そして原油価格安によるドル高傾向を総合的に見ると、欧州圏に対するアメリカのこれまでの劣勢が挽回されつつあるのではないかとの意味で、風向きが変わりつつあるのではないかとタイトルに書きました。

◇しかし、短期的には雇用統計などで悪い結果が出るとまたまた調整を余儀なくされるでしょうし、現下の金融情勢がまだまだ悪いので、その影響がこれからも出てくるたびにダウは下落するでしょうが、それもこれも、住宅問題の沈静化と共に折り込み済みの話に段々と収斂していくような気がしております。そうなると、ダウの11000ドル割れは遠のくばかりか、ラリー・ウィリアムズが「予言」している通りに、大統領選挙にかけて、じり高の傾向を辿る可能性まで見えて来ました。
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明日のモニタリング銘柄(7.30.08)

2008-07-29 21:42:24 | 明日のモニタリング銘柄
この時間、欧州の金融株が売られているようです。ドイツ、フランスの市場が下げております。ドル・円は107.74円です。20銭ほど円安に振れております。

さて、明日はどうなろうとも、いつものモニタリング銘柄です。

1.9020東日本旅客鉄道
 今日は794Kまで降りてきて、そこからはさすがに切り返しました。明日はいよいよ勝負どころに差し掛かります。すんなりと812Kを抜けていくか、もう一度押されて794K近くまで降りてくるのか、どちらのシナリオでも、これまでの停滞を吹き飛ばすような豪快な上げを演じて欲しいものです。

2.3627プライムワークス
 新興市場の手詰まり感が、この株にも色濃く出ております。ひと頃の出来高の10分の1です。明日はそろそろぶち抜いて欲しいものです。

3.6367ダイキン工業
 また下げてきて、OSCは40%はまだ高いものの、指数値が直近の最低値をマークしました。明日の押し目狙い。

4.6448ブラザー工業
 今日は1332円という安値をマーク。この会社のベトナムの工場を見たことがあります。夕方の帰宅時刻になると、まるで雲霞のようにバイクが工場から一斉に出てきました。うら若き乙女が目につきました。最近、インフレによる賃金目減りでストライキが頻発しているということです。この会社もやられたようです。

乙女のそうした怨念が、このところの冴えない株価にも現れているかのようです。

5.9107川崎汽船
 郵船や商船三井に比べて業績が悪いのは承知の助で、テクニカル妙味からこの株に注目。862円が破られれば一旦撤退ですが、そうでなければ、売り方の踏み上げ相場になるかも知れません。

以上です。

番外編で、新規上場株の3140イデアインターナショナル。2日連続ストップ安です。まだ沢山の売りを残しております。公募価格の2750円は突き抜ける勢い。ストックオプションが7万株ありますが、6ヶ月のロックアップがかかっており、これは無視できます。問題はベンチャーキャピタルの約半分がロックアップがかかっていないことです。この株式総数がおよそ8万5千株。これが売り切れるているかどうかですが、初値以降に3日ストップ安を付けるケースは稀です。値がついてからの動きに注目。

いかにも中途半端な位置取りですので、あまりこれはという魅力的な銘柄はありませんでした。強いて挙げるとすると、という注釈付きで5つ挙げました。
コメント (1)
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市場概況(7.29.08)

2008-07-29 15:42:03 | 市場概況
テクニカル用語の簡単解説

結局、後場は昨日と違ってジリ上げの展開を辿った7月29日(火)の市場概況です。赤字部は30日朝更新

・日経先物:OSC51%(-2%)7月16日の36%からまだ切り返し中。
・日経平均:OSC51%(-1%)7月16日の32%からまだ切り返し中。
・TOPIX:OSC48%(+-0%)7月16日の29%からまだ切り返し中。
・マザーズ指数:OSC55%(-2%)7月22日の35%からまだ切り返し中。
・ヘラクレス指数:OSC50%(+-0%)7月22日の32%からまだ切り返し中。
・国債先物:OSC36%(-5%)29銭高。7月24日の36%に並ぶ。
・日経先物イーブニングセッション:13120円(大証終値比-10円)
・シカゴCME日経先物:13345円(大証終値比+215円)更新
・NYダウ:11398ドル(267ドル高)OSC49%(+7%)7月28日から切り返したか?更新
・ドル円:108.05円(60銭円安)OSC62%(-1%)7月15日の42%から上昇中(円安傾向)更新

後場は、業績の良い5302日本カーボンなどの一気上げが目立ちました。やはり前場で600円割れもうまく凌ぎきっての底堅さに、機関投資家の買いが一気に入ったようです。窓を開けて始まったこの後場の雰囲気をいち早く察して、すばやく買いに入るべきですが、前場のあの膠着状態(595円~605円)を目の当たりにしておりますので、どうしても、もう一度落ちてくるのを待つ心理状態になってしまいました。しかし、いずれにしても610円あたりの今日の高値を抜く時にはアクションを起こすべきところ、肝心の分足のチャートを確認しないで、そのままフラフラと他の銘柄の上げ潮を座して見るのみでした。

この段階で後場の戦意は喪失したも同然。4997日本農薬を844円の高値で掴み、839円あたりまで落とされましたが、ここは粘りで我慢して2円抜きはしましたが、これとて、840円あたりまで落ちてくるのを待つべきでした。一度858円まで一気に行っている株ですので、つい再度動意付いたと思っての「焦り買い」でした。

(これからは、「飛びつき買い」等という、隣の犬が筆者が投げる竹輪を食べる時のような下品な言い回しに変えて、この「焦り買い」という表現を使いたいと思います。多少は、上品なニュアンスになるかと。。。)

今晩のNYは、S&Pケースシラー住宅価格の5月分の発表があります。-16%の事前予想に対しては、ほぼ同値になると予想しております。

ところでNYダウは、昨日大きく押されすぎました。OSCを13%も落としております。住宅価格が予想通りであれば、ここは一旦戻す気配ですが、OSC42%というのは実は、直近での安値をマークした7月15日と同じ値です。その時の終値よりもまだ168ドルも高いのです。

従って、テクニカルには昨日段階でギリギリ粘っている状態ですが、ズルズルとこのまま11000ドル割れまで持って行かれると、再度安値を窺う体勢になろうかと思います。いずれにしても今週の雇用統計までの経済指標で一喜一憂する相場展開になるかと思います。

追伸:何だか、日経の論評みたいな差し障りのない言い方になってしまいましたね。こりゃ、良くないですね。もっとハッキリと黒白を付けねば。

とはいうものの、かなり難解な相場なのですので、筆者の頭がどうもあまり回りません。今日の「戦い」で、いわば、カーボンが付着したような状態のようです。はい。。。

-------30日朝のコメントは別稿にしました。-------
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黄金分割比率に吸い寄せられる展開か

2008-07-29 11:32:47 | 株に出会う
今日の上値のターゲットはシカゴCMEの13270円あたりと見ておりましたが、さすがにこのハードルは嵩上げされていたようです。

この市場に参加しているプロの人々は、自分たちの思惑で翌朝の日経先物を少しでも有利に運ぶため、最近はかなり意図的に上げる傾向が見られます。

前場は13000円割れ寸前まで行っております。

この下は、再三書いているように12800円の黄金分割比率です。イチニッパと読みます。麻雀愛好家やメモリー設計者などにお馴染みのキリの良い数字ですね。

どうも、今週はこの数字を再度めがけて突進していきそうな予感がします。

しかし、かなり時間が経って気がついたのですが、今日唯一プラスの業種は何と鉱業なのでした。

今日はリバウンド狙いで、出来高多く業績好調の銘柄に的を絞り直したものですから、モニタリング銘柄の5541平金や5310東洋炭素はウォッチしておりませんでした。これらがかなりのリバウンドを演じているとは、やはり株は一筋縄では行きません。

一筋縄ではいかないといえば、今日のハイライトは2432DeNAですね。来期利益予想が88億円。経常利益が176億円という数字が失望を買ったようです。いずれも四季報予想以下、特にコンセンサス予想の来期経常利益予想の187億をかなり下回る数字だったことが失望を買ったようです。

それに輪をかけて、KBCというベルギーの証券会社が中立から売りにレーティングを引き下げたのも、少しは効いているかも知れません。

何でベルギーの証券会社がこんな極東でビジネスをしているのか不可思議。

それにしても、そんなに予想と実績に差がある訳ではないし、ストップ安まで売り込まれることはないと思いますが。

これが、決算銘柄を持ち越す場合のリスクといえばそれまでですが。

前場は、その決算が良かった5302日本カーボンの押し目で2度エントリー、そして1972三晃金属を410円の節目で待っての413円売りと、いずれも大きくは取れておりませんが、この下落相場ではまずまずといったところです。

しかし、平金や東洋炭素の押し目を拾えなかったのは痛い。浮気をした咎と思えば、株の上での出来事でもあり何とか自らの「過ち」を看過できます。

これが、実生活でひょんな誤解から浮気の嫌疑を家人にでもかけられでもすれば、それを払拭するのに精一杯で、こんな悠長に株などやっていられません。今頃、「家族との生活が嫌になった。誰でもいいので道連れにして死にたい」などと、平塚の女のような心境になっているのかも知れません。

しかし何事も気の持ちようです。筆者の家人がよく口にするセリフ。

筆者の稼ぎを30数年間も全部自由にしておきながら、退職時に貯金がゼロで退職の翌日からの生活費がなかったことに対する抗弁として、「でも、サラ金でお金を借りなかっただけ偉いでしょう。」ですと。

これじゃ、あの平塚の女性通り魔も含めて、8割方の日本女性が偉いことになってしまいます。

しかし、これですね。人生をしぶとく生き抜く技は。。。
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