今日の日経朝刊のアメリカの住宅価格に関する「過去最大の下げ」との記事は、いささかミスリーディングではないでしょうか。
確かに、前年同月比では16%(20都市ベース)から17%(10都市ベース)は下落しております。しかし、今市場で問題にしているのは、住宅価格がいつ下げ止まるのかということです。
分かりやすく言うと、飽食の結果体重が100キロにまで達した人が、ようやく1年かかって80キロまで落としたところ、前年同月比で2割も落ちたと見るのか、それとも、月々の体重の変化が、最初はダイエット効果で大きく、最近の数ヶ月は小さくなっているのを見て、減量にもようやく限界が見えてきたと見るのか、果たして、下げ止まりという観点からはどちらが良いのでしょうか?
筆者なら後者で見ます。
ちなみに、全米20都市のケース・シラー住宅価格指数の、ここ1年の下落ペースを見てみます。癪ですから、全く。( )内は前月比の下落幅。
2007年5月 200.12ポイント
2007年6月 199.44ポイント(0.68ポイント下落)
2007年7月 198.71ポイント(0.73ポイント下落)
2007年8月 197.36ポイント(1.35ポイント下落)
2007年9月 195.68ポイント(1.68ポイント下落)
2007年10月192.98ポイント(2.70ポイント下落)
2007年11月188.99ポイント(3.99ポイント下落)
2007年12月185.04ポイント(3.95ポイント下落)
2008年1月 180.75ポイント(4.29ポイント下落)
2008年2月 176.00ポイント(4.75ポイント下落)
2008年3月 172.20ポイント(3.80ポイント下落)
2008年4月 170.00ポイント(2.20ポイント下落)
2008年5月 168.54ポイント(1.46ポイント下落)
ここ3ヶ月は下落幅が徐々に減ってきております。ダイエットも段々と終盤に近づくと、たったの1キロを減らすのに苦労します。これと同じ現象が住宅価格に現れているのに、これを全く無視しているのが、今日の日経の記事です。上記の数字からは、この3月に株式市場が激震に見舞われたのも頷けます。
読者は、日経の記事をそのまま受け止めて、まだ住宅価格の下落が最大値を更新しているため、まだまだアメリカの金融危機はこれからもっとひどくなると思い込むと言うものです。
別に、筆者はアメリカの回し者でも何でもありません。できるだけ正しい事実を掴みたいだけです。それを意図的かどうか知りませんが、歪曲する輩に対しては、相手が巨大なメディアだけに、このように憤りを感じるだけです。(単なる義憤か??)
注意すべきは、このようにデータというのは、当事者に都合の良いように幾らでも加工できると言うことです。
そりゃ、見る確度から見れば、目の細いお多福顔の女性だって、まさかの観音様に見えることもあるでしょう。しかし夕暮れ時に別の角度から見ればまさかの鬼婆顔に見えることもあります。
だからこそ、たかがデータとはいえ、多面的に見ないと物事を見誤ることもあるという好例かと思う次第。
確かに、前年同月比では16%(20都市ベース)から17%(10都市ベース)は下落しております。しかし、今市場で問題にしているのは、住宅価格がいつ下げ止まるのかということです。
分かりやすく言うと、飽食の結果体重が100キロにまで達した人が、ようやく1年かかって80キロまで落としたところ、前年同月比で2割も落ちたと見るのか、それとも、月々の体重の変化が、最初はダイエット効果で大きく、最近の数ヶ月は小さくなっているのを見て、減量にもようやく限界が見えてきたと見るのか、果たして、下げ止まりという観点からはどちらが良いのでしょうか?
筆者なら後者で見ます。
ちなみに、全米20都市のケース・シラー住宅価格指数の、ここ1年の下落ペースを見てみます。癪ですから、全く。( )内は前月比の下落幅。
2007年5月 200.12ポイント
2007年6月 199.44ポイント(0.68ポイント下落)
2007年7月 198.71ポイント(0.73ポイント下落)
2007年8月 197.36ポイント(1.35ポイント下落)
2007年9月 195.68ポイント(1.68ポイント下落)
2007年10月192.98ポイント(2.70ポイント下落)
2007年11月188.99ポイント(3.99ポイント下落)
2007年12月185.04ポイント(3.95ポイント下落)
2008年1月 180.75ポイント(4.29ポイント下落)
2008年2月 176.00ポイント(4.75ポイント下落)
2008年3月 172.20ポイント(3.80ポイント下落)
2008年4月 170.00ポイント(2.20ポイント下落)
2008年5月 168.54ポイント(1.46ポイント下落)
ここ3ヶ月は下落幅が徐々に減ってきております。ダイエットも段々と終盤に近づくと、たったの1キロを減らすのに苦労します。これと同じ現象が住宅価格に現れているのに、これを全く無視しているのが、今日の日経の記事です。上記の数字からは、この3月に株式市場が激震に見舞われたのも頷けます。
読者は、日経の記事をそのまま受け止めて、まだ住宅価格の下落が最大値を更新しているため、まだまだアメリカの金融危機はこれからもっとひどくなると思い込むと言うものです。
別に、筆者はアメリカの回し者でも何でもありません。できるだけ正しい事実を掴みたいだけです。それを意図的かどうか知りませんが、歪曲する輩に対しては、相手が巨大なメディアだけに、このように憤りを感じるだけです。(単なる義憤か??)
注意すべきは、このようにデータというのは、当事者に都合の良いように幾らでも加工できると言うことです。
そりゃ、見る確度から見れば、目の細いお多福顔の女性だって、まさかの観音様に見えることもあるでしょう。しかし夕暮れ時に別の角度から見ればまさかの鬼婆顔に見えることもあります。
だからこそ、たかがデータとはいえ、多面的に見ないと物事を見誤ることもあるという好例かと思う次第。