中日新聞の「妻と夫の定年塾」西田小夜子さんのコラムで、今回のタイトルは「やむをえず」です。
その青年は、電車の連結ドアの前で後ろ向きに立ち、
周囲を気にしながらおにぎりにかぶりついていた。
朝の通勤電車内は、身動きできないほど混雑している。
おにぎりを食べ続ける青年を横目で見て、不快そうな顔をする人もいた。
青年のそばにいた務さんは、30年も昔の自分を思い出す。
不動産会社の営業マンだった。
安アパートの一人暮らしで、給料は歩合制だし、貧乏していた。
朝めしを食べる時間がもったいない。
そこで、にぎりめしを4個作り、朝は電車内で2個、
昼は公園のベンチで2個食べることにした。
中身は毎日、梅干しと昆布のつくだ煮に決まっている。
連結ドアの前で朝めしを食べる青年に、自分の姿が重なる。
彼もコンビニで買ったものではなく、ラップに包んだ、
いびつな自作にパクついていた。
猛スピードで食べ終えた青年は、お茶のポットを出してグビグビ飲むと
「フーッ」と一息つく。
務さんは彼に話しかけずにいられない。
「にぎりめし、うまそうでしたね。
実はボクも若いころ、同じことしてたんですよ。
時間がもったいないし、焼きのりのにおいがしないよう、
のりを巻かず作りました。
なあに、いいんですよ。
やむをえず、電車でめしを食ったって、ね。
サラリーマンはつらい」
青年はありがとうございますと恥ずかしそうに笑顔を向けた。
以上です。
務さんのお気持ちはわかります。
青年に自分の30年前の姿を見られたんでしょうね。
青年も務さんに理解されて、少しホッとされたでしょうね。
私も若いころ新聞配達の経験があるので、青少年が新聞を配っているのを
見かけると「頑張れよ」と言いたくなります。
人はそれぞれ事情があると思いますが、身動きできないほどの満員電車で
おにぎりを食べるのはいかがかと思います。
やはり乗客の迷惑にはなりますし、
せっかく自分が作ったおにぎりを、猛スピードで食べては味もわからないのでは。
せめていつもより10分早く起きて、ゆっくりおにぎりを食べていただきたいと思います。
その方が仕事にも、健康にも良いと思うのですが。
♪雲にのりたい 黛ジュン (2014)
その青年は、電車の連結ドアの前で後ろ向きに立ち、
周囲を気にしながらおにぎりにかぶりついていた。
朝の通勤電車内は、身動きできないほど混雑している。
おにぎりを食べ続ける青年を横目で見て、不快そうな顔をする人もいた。
青年のそばにいた務さんは、30年も昔の自分を思い出す。
不動産会社の営業マンだった。
安アパートの一人暮らしで、給料は歩合制だし、貧乏していた。
朝めしを食べる時間がもったいない。
そこで、にぎりめしを4個作り、朝は電車内で2個、
昼は公園のベンチで2個食べることにした。
中身は毎日、梅干しと昆布のつくだ煮に決まっている。
連結ドアの前で朝めしを食べる青年に、自分の姿が重なる。
彼もコンビニで買ったものではなく、ラップに包んだ、
いびつな自作にパクついていた。
猛スピードで食べ終えた青年は、お茶のポットを出してグビグビ飲むと
「フーッ」と一息つく。
務さんは彼に話しかけずにいられない。
「にぎりめし、うまそうでしたね。
実はボクも若いころ、同じことしてたんですよ。
時間がもったいないし、焼きのりのにおいがしないよう、
のりを巻かず作りました。
なあに、いいんですよ。
やむをえず、電車でめしを食ったって、ね。
サラリーマンはつらい」
青年はありがとうございますと恥ずかしそうに笑顔を向けた。
以上です。
務さんのお気持ちはわかります。
青年に自分の30年前の姿を見られたんでしょうね。
青年も務さんに理解されて、少しホッとされたでしょうね。
私も若いころ新聞配達の経験があるので、青少年が新聞を配っているのを
見かけると「頑張れよ」と言いたくなります。
人はそれぞれ事情があると思いますが、身動きできないほどの満員電車で
おにぎりを食べるのはいかがかと思います。
やはり乗客の迷惑にはなりますし、
せっかく自分が作ったおにぎりを、猛スピードで食べては味もわからないのでは。
せめていつもより10分早く起きて、ゆっくりおにぎりを食べていただきたいと思います。
その方が仕事にも、健康にも良いと思うのですが。
♪雲にのりたい 黛ジュン (2014)